同じ穴の狢(オナジアナノムジナ)の意味・由来・類語を徹底解説


先日、テレビを観ていたら、いろいろ問題があった業界の中で、この人だけは大丈夫だと思われていた人が、やはり不祥事を起こしたことが発覚し、ニュースの解説者が、「結局、この人もオナジアナノムジナだったんですね」と話していたんですね。

その時、「オナジアナノムジナ」という言葉を聞いて、「ムジナって何だ?」といろいろ気になってしまいました。

そこで、今回は、同じ穴の狢(オナジアナノムジナ)の意味、由来、類語、そして使い方・例文について解説をしていきます。

「同じ穴の狢(オナジアナノムジナ)」の意味

同じ穴の狢とは、一見関係がないように見えても、実は、同類・仲間であるという意味です。

この言葉は、悪事を働くもの同士という悪い意味で使われます。

ですから、あなたが、他の人から、「あなたは同じ穴の狢だ」と言われたら、あなたも悪い人だという意味になってしまう訳です・・・

「同じ穴の狢(オナジアナノムジナ)」の由来

「同じ穴の狢」に出てくる狢(ムジナ)とは、どんな存在なのでしょうか?

狢(ムジナ)とは、アナグマの別名です。

(地域によっては、タヌキをムジナと呼んでいるところもあります)

写真で見ると可愛いいのですが、なぜ、オナジアナノムジナという悪い意味で使われてしまっているのでしょうか?

由来を探ってみると、ムジナは、タヌキと同じ穴で生活をする習性を持っているという話から来ていると言われているそうです。

実際にアナグマが使った巣で、タヌキやキツネ、そしてアライグマなどが住んでいることが確認されています。

そして、昔、タヌキは人を化かす悪い動物だと言われていました。

ですから、同じ巣を使うムジナは、タヌキの同類で悪い存在だという意味になってしまったのです。

ムジナにとっては非常に迷惑な話ですが・・・

「同じ穴の狢(オナジアナノムジナ)」の例文・使い方

あいつは、いつも人の陰口ばかり言っていて本当に許せん。あいつの方こそ、性格にはいろいろな問題があるのにね。

次郎

太郎

まあまあ、ここでその人の陰口を言ったら、同じ穴の狢になってしまうから、可哀そうな人だと思って放っておこうよ。

という感じで使ったりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • その政治家は、不正のない政治を訴えていたが、ある企業から賄賂を受けていたことが発覚し、結局、他の政治家と同じ穴の狢であることが明らかになった。
  • 脱走した犯人をかくまっていた人は、同じ穴の狢であり、罪に問われる。
  • 兄が悪いことをしていたからといって、弟も同じ穴の狢で悪い奴だと思い込むのは良くないと思う。
  • あの上司だけは、信頼できる人だと信じていたが、結局は社長たちと変わらない同じ穴の狢だった。

「同じ穴の狢(オナジアナノムジナ)」の類語

「同じ穴の狢(オナジアナノムジナ)」には以下のような類語があります。

  • 目くそ鼻くそを笑う
  • どんぐりの背比べ
  • 五十歩百歩

いずれも、相手のことを悪く言っても、結局は、その人と同じ状態であるということを意味する言葉となっています。

まとめ

ムジナは、実際、タヌキとは関係のない存在であっても、同じ巣を使っているというだけで仲間だとされてしまうという点で、ちょっと可哀そうな存在だと思います。

その一方で、世の中には、人のことを悪く言いながら、実は、自分も同じような悪いことをしているケースはいくらでもありますよね

ですから、悪い人を見かけたとしても、「同じ穴の狢で悪い奴だ」と批判するばかりでなく、「自分ももしかしたら同じ穴の狢ではないか」という謙虚な心を持つことは必要なのかなって思います。

それこそ、「人の振り見て我が振り直せ」という精神で自分磨きに専念してみてはいかがでしょうか?