先日、ニュースで「このチームの監督は、選手の精神的なケアにも心を砕くところがすごい。」という話がありました。
その時、「心を砕く」という慣用句を聞いて、「砕く」のニュアンスが、気になりまして。
そこで、今回は「心を砕く」の意味、使い方、類語、英語表現、敬語表現について解説をしていきます。
目次
「心を砕く」の読み方
「心を砕く」の読み方は、「こころをくだく」です。
中には、「砕く」の読み方が難しいと感じる方がいらっしゃるかもしれませんね。
「心を砕く」の意味
「心を砕く」には、2つの意味があります。
- いろいろと気を遣う。いろいろと力を尽くす。
- 心配する
「心を砕く」は、他人のことや、自分が大切にしたいことに対して、いろいろと気を遣う時によく使います。
また、何かと必要以上に心配をしてしまう時にも使ったりします。
どちらの意味でも、「心を砕く」というぐらいですから、かなりのエネルギーを割いていることが分かります。
古文での意味は少し違う!?
「心を砕く」は古文でも使われてきた表現です。
ただ、その場合は、心を痛める、悲しむ、心配する、という意味で使われています。
心配するという意味では共通していますが、古文の場合、悲しみや辛さを感じるという点で、ニュアンスが少し異なりますね。
「心を砕く」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「心を砕く」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 遠方から訪ねて来た友人に対して、心を砕いておもてなしをした。
- 私の健康のために、いつも心を砕いてくれる妻には本当に感謝している。
- 老後のことに心を砕くより、今、何が出来るか、考えることの方が大切だ。
- 子供を幼稚園に通わせると、ママ友とどうやってうまく付き合っていくかに心を砕くようになった。
- 年を取ってくると、若い時よりも、さらに美容に心を砕くようになるものよ。
- 社長は、業績が厳しい中でも、社員の雇用を守るために心を砕いた。
- 彼は、長年、両国の架け橋となるために心を砕いて来た。
「心を砕く」の類語
「心を砕く」には以下のような類語があります。
- 気を遣う
- 配慮する
- 思いやる
- 心を配る
- 心を尽くす
- 気を配る
- 気配りをする
- 心配する
- 親身になる
- 気にかける
- 苦心する
- 工夫する
- 一生懸命考える
- 必死に考える
- 考えをめぐらす
類義語はたくさんありますが、その中でも、「心を砕く」は、砕くという表現からも分かるように、より時間やエネルギーを割いているニュアンスが強まります。
「心を砕く」を四字熟語で表現すると?
「心を砕く」を四字熟語にしようとした場合、直接的に変換できる表現はありません。
ただ、より近い意味ということであれば、粉骨砕身(ふんこつさいしん)という四字熟語に言い換えることも出来ます。
粉骨砕身とは、骨を粉にして身を砕いて、力の限りを尽くすことを意味します。
漢字の構成を見ても分かるように、「心を砕く」よりも、もっと強い表現となりますね。
「心を砕く」を英語で表現すると?
「心を砕く」を英語で表現する場合、どういったニュアンスで使うかによっていろいろ変わって来ます。
- develop oneself to (献身的に努力する意味で使う場合)
- consider (配慮する、気を遣うという意味で使う場合)
- do everything (何でもして上げるという意味で使う場合)
- take great pains (苦心する、腐心するという意味で使う場合)
ここでは、あくまでも一例を挙げましたが、「心を砕く」は幅広く使える表現でもあるので、状況によってうまく使い分けて下さい。
「心を砕く」を敬語表現として使う場合は?
「心を砕く」は、ビジネスのシーンでも使うことが出来ます。
例えば、目上の人が自分に対して、いろいろ配慮してくれたり、面倒を見てくれたりした時には、
- 「心を砕いてくださりありがとうございます」
という感じで表現することも出来ます。
まとめ
「心を砕く」は、いろいろと気を遣うことや心配することを意味しますが、いずれも、一生懸命になるというニュアンスが含まれます。
特に、相手が自分に対して心を砕く場合は、それだけ自分のことを大切に思ってくれていることを意味します。
ですから、そういった時は、相手に対して感謝の気持ちを伝えることが大切なのかもしれませんね。
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