「時間を割く」の意味・例文・敬語を解説!「割く」のニュアンスは?

先日、転職をした友人に会ったのですが、「残業が少なくなった分、自分の好きなことに時間を割くことが出来るようになった。」とうれしそうに話していたんですね。

もちろん、物理的に時間を割くことは出来ないのですが、“割く”という表現のニュアンスが気になりまして。

そこで、今回は、「時間を割く」の意味、例文、敬語、そして類語について解説をしていきます。

「時間を割く」の意味

「時間を割く」とは、余裕のない中、時間をやりくして、他のことのために振り分けることを意味します。

本来であれば、そのために時間を取ることが難しい場合でも、意識的に都合を付けて、時間を使うというニュアンスで使います。

「時間をかける」という表現を使っても良いのですが、「時間を割く」という表現すると、「時間がない中をわざわざ」という意味合いが含まれますね。

「時間を割く」の例文・使い方

最近は、仕事がなくて、暇になって来たね。こういった状況が続くと、結構、キツイなあ。

次郎

太郎

確かにそうかもね。ただ、こういう時だからこそ、今まで、なかなか出来なかったことに時間を割くことが出来ると思って、前向きに考えて行こうよ。

という感じで「時間を割く」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 次の試合は打撃戦になりそうなので、練習でも打撃練習により多くの時間を割くことにした。
  • 経済的に余裕が出来たら、社会貢献活動にもっと時間を割きたいと考えている。
  • 仕事が終わった後は、飲み会に時間を割くよりも、スキルをアップさせるために力を注ぐべきではないだろうか。
  • 現役時代は、練習が忙し過ぎて、プライベートに時間を割くことが出来なかった。
  • 高校生活は、勉強と部活のどちらに時間を割くべきか悩んでいる。
  • 結婚式では、演出に時間を割くよりも、家族へ感謝の気持ちを伝えることを重要視することにした。

「時間を割く」の敬語

「時間を割く」は、ビジネスシーンで、相手が、忙しい中、都合をつけて、時間を取ってくれるような時によく使います。

例えば、目上の人が時間を割いてくれたことに対して、お礼の気持ちを伝える時、

  • お時間を割いて頂き、ありがとうございます。
  • お時間を割いて下さり、ありがとうございます。
  • お時間を割いて頂き恐縮です。

という形で敬語表現をします。

時間の頭には、謙譲語を表す「お」を付けます。

「頂く」は、「もらう」の謙譲語で、「下さる」は、「(相手が)与える・くれる」の尊敬語ですが、この場合は、どちらを用いても大丈夫です。

或いは、時間を取らせてしまったことへの謝罪の気持ちを伝える時に

  • ご多忙の所、お時間を割かせてしまい、申し訳ございません。

と表現したりします。

「時間を割く」の類語

「時間を割く」には、以下のような類語があります。

  • 都合をつける:金銭や時間をやりくりして、物事を実施できる状態にすること
  • やり繰りする:不十分なものをあれこそれ工夫して、都合をつけること
  • 時間を作る:ある物事に関わる時間を持つこと
  • 時間を取る:ある物事に関わる時間を持つこと
  • 時間を設ける:ある物事のために時間を作ること

「都合をつける」や「やり繰りする」は、時間だけでなく、金銭を扱う場合でも使われますよね。

また、「時間を作る」、「時間を取る」、「時間を設ける」よりは、「時間を割く」方が、わざわざ時間を作るというニュアンスがより強まります

まとめ

社会に出ると、いろいろ忙しくなり、時間をコントロールすることが難しくなることも多くなる傾向がありますよね。

ただ、そういった時こそ、より意識をしながら、大切なことに時間を割くことが大切なのかもしれませんね。