ローマは一日にして成らずの意味・例文・類義語!誰が言ったことわざ?


こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

私が子供の頃、試験前に一夜漬けで必死に勉強していた時のことです。

父親が「試験の直前だけ勉強するだけじゃなくて、普段からやらないとダメだよ。ローマは一日にして成らずだから」と話していたんです。

その時、「ローマは一日にして成らず」という言葉が心に残ったのですが、そもそも、このことわざは誰が最初に言ったのでしょうか。

ということで、今回は、「ローマは一日にして成らず」の意味、例文、類語、そして反対語などについて解説をしていきます。

「ローマは一日にして成らず」の意味

「ローマは一日にして成らず」とは、立派なことやものは、長年の積み重ねや努力によって初めて成し遂げられるという意味です。

かつて、紀元前27年から西暦395年に東西に分裂(1453年に完全消滅)するまで、地中海世界を中心として強大な勢力を誇ったローマ帝国も700年もの年月を経て完成したという歴史的な事実が由来となって出来たことわざです。

「ローマは一日にして成らず」って誰が言ったの?

「ローマは一日にして成らず」という言葉は、あまりに有名なことわざですが、では、最初に誰が言った言葉なのかという点については諸説あります。

セルバンテスのドン・キホーテ説は間違い!?

「ローマは一日にして成らず」という言葉は、スペインの作家セルバンテスが書いたドン・キホーテが出典だと言う人もいます。

しかし、原文を見てみると、「ローマは一日にして成らず」という表現は出て来ません

実は、ドン・キホーテが英訳された際、「サモーラも一時間では落城しなかった」という箇所が「ローマは一日にして成らず」と意訳され、その訳がそのまま日本にも伝わって「ドン・キホーテ」が出典であるという説が広まったのです。

ジョン・ヘイウッド説

その外にも、16世紀のイギリスの劇作家であるジョン・ヘイウッドが言ったという説があります。

彼は、英語で“Rome was not built in one day.”という名言を残しているのですが、そこから元ネタになって「ローマは一日にして成らず」という言葉が生まれたと言われています。

エラスムスの諺説

他にも、1545年に刊行された「エラスムスの諺(ことわざ)」という格言集にも、英語の古語で“Rome was not buylt in one daye. ”と出ているので、それが出典だという人もいます。

このように「ローマは一日にして成らず」ということわざの出典に関しては諸説があり、曖昧な部分がまだ残っています。

「ローマは一日にして成らず」の例文・使い方

ノーベル賞を取る人を見ると、やっぱり何十年もの間、地道にコツコツと研究を積み重ねて来た方が多いよね。

次郎

太郎

やっぱり偉大な成果は、ローマは一日にして成らずで長い年月をかけないと得られないものが多いと思うよ。

という感じで「ローマは一日にして成らず」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 焦って物事を成そうとしてもうまくいかないから、ローマは一日にして成らずという気持ちで、まずは今日出来ることが始めていこう。
  • 面接で志望動機を伝える時も、その場で考えたことはいわず、ローマは一日にして成らずという気持ちで時間をかけてじっくり考える必要がある。
  • どんなに素晴らしい監督でもローマは一日にして成らずで就任一年目は思ったような成績を出せないことが多い。
  • あの女性が50代になっても美しいのは、ローマは一日して成らずで、長年にわたって食事や肌の管理を徹底してきたからだ。

「ローマは一日にして成らず」の類義語

「ローマは一日にして成らず」には以下のような類義語があります。

  • 千里の道も一歩から
  • 一朝一夕にはいかない
  • 大器晩成
  • 大きい薬缶は沸きが遅い
  • 手間暇がかかる
  • 継続は力なり

また、「ローマは一日にして成らず」は、努力の大切さを説明する時によく使われる言葉ですが、努力に関することわざは以下の記事で詳しくまとめています。

努力のことわざ36個を一覧化!

「ローマは一日にして成らず」の反対語

「ローマは一日にして成らず」の反対語には、実は、これと言ったものがありません。

ただ、敢えていうならば、「栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」ということわざがあります。

これは、「大成する人は、幼少の時からすぐれている」という意味です。

ただ、才能がある人でも、大きなことを成し遂げようとする人は、長い年月を掛けなければならないことも多いので、完全に反対語だとは言い切れないところがあります。

「ローマは一日にして成らず」の続きとは?

「ローマは一日にして成らず」は、長い努力の積み重ねがなければ大きなことは完成しないという意味ですが、このことわざの続きについて語った人がいるのは、ご存知でしょうか?

それは、立石泰則さんという方で、「パナソニック・ショック」という本の中で「ローマは一日にして成らず、されど滅亡は一日にして成る」と書いています。

パナソニックという企業を例に挙げながら、大きな事業を築き上げるのは、長い年月が掛かるけれども、それが滅亡するのはいとも簡単だと伝えてるんですね。

実際、大企業は、草創期は、開拓精神をもった人材が集まるけれども、規模が大きくなると、安定だけを求めた官僚的な人材が集まるようになり、凋落が始まるという話もあります。

ですから、私たちも、コツコツと努力を積み重なて行きながら、それと同時に、成功した後は、決して慢心せずに、絶えず、向上心を持って努力を続けていくことが大切なんだと思います。