こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
この間、ある俳優さんがヒット作品を連発している監督の作品に出演することが決まったんですね。
すると、私の友達が「これで彼の人気にも拍車がかかるだろうなあ。」と言っていました。
その時、「拍車がかかる」という言葉を聞いて、「拍車ってどんな車なんだろう?」と考えてしまったのですが、実は、車ではなかったんですよね(笑)
ということで、今回は、「拍車がかかる」の意味、由来、使い方、類語、そして対義語について徹底解説をしていきます。
「拍車がかかる」の読み方・意味
「拍車がかかる」の読み方は「はくしゃがかかる」で、物事の進行が一段と速くなるという意味です。
実際の使い方をチェックしてみると、ネガティブな表現として使われることも多いのですが、ポジティブな意味で使わるれる時も結構ありますよね。
また、「拍車がかかる」は「拍車をかける」という表現に言い換えることも可能です。
「拍車がかかる」の由来・語源
「拍車」とは、乗馬をした人が、靴のかかとに取り付ける金具です。
拍車には、歯車のような突起が付いているので、これで馬のお腹を刺激することによって、馬を速く走らせることが出来ます。
それが由来となって、物事に勢いを付けるという意味で、「拍車がかかる」という言葉が生まれたのです。
拍車は元々日本になかった
ただ、日本には、昔、拍車がありませんでした。
実際、安土桃山時代に日本に来たポルトガル人は日本には拍車がないと記しており、江戸時代まで、武士などは、脚とムチで馬を制御していました。
日本に拍車が入って来たのは、明治初期の頃です。
そして、明治の中期に文学作品で「拍車がかかる」という言葉が使われるようになり、この表現が日本に定着していったのです。
「拍車がかかる」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「拍車がかかる」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 教育費が高騰すると、少子化に拍車がかかると言われている。
- バスの路線が廃止になると、過疎化に拍車がかかってしまう。
- そのインフラ整備が進んでいけば、電気自動車の普及に拍車がかかるだろう。
- 遂にあの漫画がアニメ化されたので、これからますます人気に拍車がかかるはずだ。
- お金持ちの男性と結婚した彼女は、浪費に拍車がかかるようになった。
「拍車がかかる」の類語
「拍車がかかる」には以下のような類語があります。
- エスカレートする
- 火に油を注がれる
- エンジンがかかる
- 輪をかける
- 騒ぎが大きくなる
- 波風が立つ
- 悪化する
- 助長される
「拍車がかかる」の類義語の中には、悪い意味でしか使われない言葉もあります。
一方、「拍車がかかる」はポジティブな時にもネガティブな時も両方使われる言葉です。
輪をかけての意味・語源・使い方・類語!一体に何に輪をかけるの?
「拍車がかかる」の対義語
「拍車がかかる」の対義語としては、「歯止めがかかる」という言葉があります。
「歯止めがかかる」とは、進行していたものが、何かをきっかけにして、ブレーキがかかるという意味です。
まとめ
「拍車がかかる」という慣用句が、「進行が一段と速くなる」という意味であることを知っている方は多いかと思いますが、拍車が何であるのか知っている人は、それほど多くないのではないかと思います。
(馬好きな人は知っていると思いますが)
ですから、誰かが「拍車がかかる」という言葉を使ったら、「ねぇ、拍車って何だか知ってる?」と聞いてみたら、面白いかもしれませんね。
また、「拍車がかかる」という言葉は、特に経済ニュースなどで、「円高に拍車がかかる」、「株価の下落に拍車がかかる」、「インフラに拍車がかかる」とネガティブに使われることが多かったりします。
ですから、普段の生活では、「成長に拍車がかかる」、「人気に拍車がかかる」、「売り上げアップに拍車がかかる」など、ポジティブな意味で使える機会が増えることを願っております!