こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
うちの会社にK-POPアイドルが好きな同僚がいるのですが、この間、「ファンミーティングに参加したら、彼のことが輪をかけて好きになったしまった」と目をキラキラさせながら話していました。
その時、ちょっと後ずさりしながらも、「輪をかけて」という言葉が気になったんですね。
これって何に輪をかけることを意味しているのでしょうか?
ということで、今回は、「輪にかける」の意味、語源、使い方、そして類語について解説をしていきます。
「輪をかけて」の意味
「輪をかけて」とは、「あるものに比べて程度がより一層はなはだしくなって」という意味です。
「輪をかけて」は「輪をかける」の連用形で、副詞的に使ったりします。
「輪をかけて」は、「輪をかけてひどい」とか「輪をかけて悪化」など悪い意味で使われることも多いです。
しかし、その一方で「輪をかけて好き」とか「輪をかけて格好いい」とか良い意味で使う時もあります。
「輪をかけて」の語源
「輪をかけて」の語源は弓道から来ています。
弓道では、弓の弦(つる)をピンと張るため、弓の弦の両端に、弦輪(つるわ)をかけることによって、よりピンと張れるようになります。
すると、弓をさらに勢いよく飛ばすことが出来ます。
そこから、ものごとに勢いをつけるという意味で、「輪をかけて」という言葉が生まれた訳なのです。
「輪をかけて」の使い方
次郎
太郎
という感じで「輪をかけて」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 先月の売り上げも悪かったが、今月は輪をかけて悪いから何とか挽回しないといけない。
- 晩婚化に輪をかけて、少子化も進んでいるので、高齢化社会はさらに加速している。
- 元々、成長しやすい業界だったが政府の補助金も投入されたため、輪をかけて伸びやすくなっている。
- 円安が進んだため、訪日外国人観光客の数は輪をかけて増えている。
- 彼女は美人だが、彼のお姉さんは輪をかけて綺麗だという噂だ。
「輪をかけて」の類語
「輪をかけて」には以下のような類語があります。
- より一層
- 益々
- 一段と
- 更に
- 拍車をかけて
「輪をかける」と「拍車をかける」の違い
「輪をかける」と似た言葉に「拍車をかける」という言葉があります。
「拍車をかける」は「物事の進行を一気に早めること」を意味しますが、主にスピードや勢いがアップすることを意味します。
その一方で「輪をかける」は、程度やレベルが甚だしく高くなったり、低くなったりしているという意味で使います。
同じような意味で使えることも多いですが、「輪をかけて好き」とは言うけれども、「拍車をかけて好き」とは言わないなど、微妙な違いもあるので、ご注意下さい。
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まとめ
「輪をかけて」は、「より一層激しくなって」という意味ですが、弓道が語源であることを知らない方も多いのではないでしょうか?
「輪をかけて」の意味は弓道をイメージすると、よりハッキリとイメージが理解出来るので、是非、ご参考にして下さい。