先日、ドラマで「実は、あの二人は付き合っているという話を小耳に挟んだんだけど、本当なの?」というセリフを聞いたんですね。
その時、「小耳に挟む」という慣用句を聞いて、どんな耳の状態なのか、考えれば考えるほど、分かりづらいなあと思いまして。
そこで、今回は、「小耳に挟む」の意味、由来、例文、類語、英語での表現について解説をしていきます。
「小耳に挟む」の意味
「小耳に挟む」の読み方は、「こみみにはさむ」す。
「小耳に挟む」とは、ちらりと聞く、ちょっと耳にする、ことを意味します。
確かな情報をはっきり聞くこととは対照的に、噂話であったりとか、情報源が定かではなく、本当かウソが分からないような話を聞く時ってありますよね。
そういった少し不確かな話を聞いた時に、この慣用句を使います。
また、情報の出所を知っているんだけど、そのことは言いたくない時、「ちょっと小耳に挟んだんだけど」と誤魔化して使うこともあります。
「小耳に挟む」の由来
実は、「小耳に挟む」とは、これといった由来はありません。
「小耳」と聞くと、小さい耳だと思って、耳たぶなのかとか、いろいろ考える方がいらっしゃいます。
しかし、ここでの「小」は、すこし、なんとなく、などの意味を持った接頭語です。
他にも、ちょっとお腹が空くことを「小腹が減る」と言ったりもしますよね。
また、「挟む」は、一般的には、間に差し入れる、という意味で使われますが、ここでは、聞き込む、という意味で使われています。。
ですから、ちょっと耳にすることを「小耳に挟む」というようになった訳です。
「小耳に挟む」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「小耳に挟む」は使われたりしますが、他にもこういった使い方がありますので、短文形式でお伝えします。
- 小耳に挟む話では、この街には、職人と言える人がほとんど残っていないとのことだ。
- 最近、SNSで炎上したという話を小耳に挟むことが増えて来た。
- レストランで、小耳に挟む会話から、ビジネスのヒントを得たりすることも意外にあるものだ。
- 50代を過ぎると、同世代の中で健康に問題が生じたという話を小耳に挟む機会が増える。
- 大学生だというのに、ずっとゲームをやっている人が多いという話を小耳に挟むと残念に感じてしまう。
- この業界は、意外に給料が高いと小耳に挟むのだが、果たして本当なのだろうか?
- あの人の話は、それっぽく聞こえるけれども、所詮、小耳に挟んだ程度の情報だから、あまり信用しない方がいいよ。
- ちょっと小耳に挟んだんだけど、実は、二人は付き合っているんだって。
「小耳に挟む」の類語
「小耳に挟む」は、以下のような類義語に言い換えることが可能です。
- 伝え聞く
- 噂に聞く
- 人づてに聞く
- 漏れ聞く
- 風の便りに聞く
- 又聞きする
- 聞きかじる
いずれの表現も、当事者からはっきりと聞くのではなく、間接的に伝え聞くような感じで、事実かどうか確証を持てない時に使う表現ですね。
「小耳に挟む」を英語で表現すると?
「小耳に挟む」は、英語だと、“just hear” や “happen to hear” を使って表現することが出来ます。
英語では、ただ(just)聞くとか、たまたま(happen to)という表現を使ったりします。
例文を挙げると以下のような感じです。
- I just heard he is looking for a new job. (彼は新しい仕事を探していることを小耳に挟んだ)
- I happened to hear a bad rumor about this company. (この会社の悪い噂を小耳に挟んだ)
まとめ
「小耳に挟む」とは、ちょっと耳にする、という意味ですが、最近は、インターネットの普及で、大量の情報を入手できる一方で、一つ一つの情報を深く認識しづらい時代になってきたとも言えます。
そのため、小耳に挟んだことをうのみしてしまったり、きちんと事実確認がされないまま、どんどん拡散されてしまうリスクが高まっているような感じがします。
ですから、何か気になる話を小耳に挟んだ時は、いろいろな観点から情報を集めて比較しつつ、深堀することも時には必要なのかもしれませんね。