こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、私の同僚が取引先で「おたくの製品は二度と使わない」とバシっと言って帰ってきたのですが、その後、社長からこっぴどく叱られて、取引先に謝りに行かされたんですね。
そして、同僚は「ビジネスの世界で、啖呵を切るのはやっぱり良くないな」とポツリもらしていました。
その時、「啖呵を切る」という言葉が気になったのですが、そもそも啖呵って何なのでしょうか?
ということで、今回は「啖呵を切る」の意味、語源、例文、そして類語について解説をしていきます。
「啖呵を切る」の意味
「啖呵を切る」とは威勢の良い言葉で歯切れよくまくしたてるという意味です。
この慣用句は、喧嘩を売る時にも使いますが、物売りの人が威勢よく商品について語る時や、何かを大胆に宣言する時などにも使います。
「啖呵を切る」の語源・由来
啖呵(たんか)とは、当て字で、元々は啖火と書きます。
この「啖火(啖呵)」とは、咳と一緒に出る痰や、ひどく痰がでる病気のことを意味します。
そして、「啖呵を切る」とは、「啖呵(啖火)」という病気が治ることも意味するのです。
また、啖呵が治る時もそうですが、「カーっ」と言いながら、痰を吐き出すと、気持ちがすっきりしますよね。
(ただ、周りの人たちには迷惑なので、極力、やらないことをお勧めしますが・・・)
そこから、痰を吐くぐらいの勢いで、まくし立てることを「啖呵を切る」というようになったのです。
実際、啖呵を切った後は、気持ちがスッキリするものですから。
「啖呵を切る」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「啖呵を切る」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 啖呵を切る人の心理を分析してみると、周りの人から注目されたいという気持ちがやはり強いのではないかと思う。
- 落語家はクライマックスの部分で、啖呵を切りながら、扇子で床をパンと叩いた。
- その男は、威勢よく啖呵を切って会社の批判をしたが、同調してくる人がいないことが分かると一気にトーンダウンした。
- 息子は「今度の試験では絶対に100点を取るよ」と啖呵を切ったが、実際の点数は63点だった。
まとめ
「啖呵を切る」とは、歯切れの良い言葉で威勢よくまくしたてるという意味です。
それがビシッと決まれば、かっこいいですし、気持ち的にもすっきりすることが多いかと思います。
ただ、喧嘩を売る目的で啖呵を切ると、今度は、それ以上の力で反撃される可能性も十分あり得ます。
また、出来そうにないことを出来ると断言しながら、啖呵を切ると、後に引けない状況に追い込まれる時もあります。
実際、啖呵を切る際は、周りの状況も見ながら、冷静に対処することが必要かなと思います。