こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
この間、友人と「何で大学へ行く必要があるのか」というテーマで議論になったのですが、その時、友人が「そりゃあ、高卒と違って、大卒になったら箔がつくからね。」という話をしていました。
その時、「箔がつく」という言葉が気になったんですね。
これって、もしかして悪い意味なのでしょうか?
ということで、今回は、「箔がつく」の意味、語源、例文、類語、そして反対語について徹底的に解説していきます。
「箔がつく」の意味
「箔がつく(付く)」とは、値打ちがついたり、貫禄がついたりするという意味です。
人は、何か賞をもらったり、肩書を与えられたり、実績を上げたりすることよって、一気に周囲からの目が変わり、評価が高まる時などに使う言葉です。
また、この言葉は女性に使われる時もありますが、一般的に男性に使われることが多いです。
「箔がつく」の語源・由来
ここでの「箔」とは、金・銀・銅・錫(すず)などの金属をハンマーなどで薄くたたき延ばしたものです。
そういった箔を、物の表面に張り付けると、物自体の値打ちが増すということから「箔がつく」という慣用句が生まれました。
もちろん箔がつくのは、表面だけなので、中身はそれほど変わる訳ではないのですが、それでも周りから見た印象はガラリと変わるものですよね。
「箔がつく」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「箔がつく」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 彼は、この大会でも見事に優勝し、さらにキャリアに箔がついた。
- このドラマは出演することで、箔がつくので、出演料が安くても出たがる俳優が多い。
- 名球会に入ると、一流選手として箔がつく。
- どんなに小さな会社でも、代表取締役という立場があるだけで、箔がつくものだ。
- 彼女は、IT企業の社長と結婚することによって、さらに女優として箔がついたように思う。
- 離婚を経験すると、逆に、少しのことにも動じないと思われるようになって箔がつくらしい。
- 彼は、少しでも良い会社に転職するため、箔がつく資格を探し回った。
「箔がつく」の類語
「箔がつく」の類語ととしては以下のような言葉があります。
- 値打ちが上がる
- 貫禄が付く
- 権威が高まる
「箔がつく」の反対語
「箔がつく」の反対語は、「箔が落ちる」です。
箔は、たとえ薄いものであっても、表面が覆われて一気に評価が高まりますが、逆に箔が落ちると、価値が下がるのも早いと言えます。
まとめ
「箔がつく」と基本的に評価が高まりますから、良い意味として使われることが多いです。
ですから私自身も、どんな形であれ「箔がつく」ことは大歓迎です。
ただ、その一方で、箔がつくのは表面だけなので、「中身は、それほど大したことがないのに」と稀に悪い意味で使われる場合もあります。
実際、箔を付けるために資格を取る人もいますが、資格はあっても実務経験がないと、仕事ではなかなか生かせないという時もありますよね。
そういった時に、その人の本当に実力がバレて、「箔が落ちる」と非難される時があるのも事実です。
ですから、箔をつけることも大切だけれども、それと同時に、周りからの評価に見合った実力をしっかり身に付けることも必要なんだと思います。