こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
以前、私の同僚がインフルエンザにかかって会社を休んだのですが、3日経った時、
「熱は下がったのですが、会社の人に感染する可能性もあるので、大事をとってお休みを頂きます。」
とメールで連絡があったんですね。
その時、「大事をとる」って自分で言うのはどうなのかなって思いまして・・・
そこで、今回は、「大事をとる」の意味、例文、類語などについて解説をしていきます。
「大事をとる」の意味
「大事をとる」とは、無理をしないで用心し、慎重に行動するという意味です。
「大事をとる」を漢字で書く場合、「取る」なのか「摂る」なのか迷う方もいらっしゃいますが、正しくは「大事を取る」です。
また、ここでの「大事」とは、重大な事柄です。
そして「取る(とる)」は、一般的に「手に持つ」という意味もありますが、ここでは「選んで決める」という意味が該当します。
例えば、インフルエンザが治りかけの人が大事をとって会社を休む場合、
- 小事:無理をして会社に出社して、自分の仕事をすること
- 大事:会社に出社して複数の人に感染させ、複数の社員が仕事が出来なくなるという事態を避けること
と比較して、おり重要なことを選択するという意味から、大事をとるという言葉になった訳です。
「大事をとる」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「大事をとる」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 妊娠中にお腹が痛くなり、病院へ行ったところ、大事をとって入院をするように医者から勧められた。
- 朝、子供の熱を測ったら37.5度だったので保育園には、大事をとって休ませる旨を伝えた。
- 台風が接近していたので、鉄道会社は大事をとって運休することを決定した。
「大事をとる」の類語
「大事をとる」には以下のような類語があります。
「念には念を入れる」
「念には念を入れる」とは、注意した上に、さらに注意するという意味です。
慎重に対応するという意味では、「大事をとる」の意味と共通しています。
ただ、「念には念を入れる」は、「より大切なことを優先する」というよりは、注意すること自体を強調した言葉だと言えます。
「万が一に備える」
「万が一に備える」とは、いざという時の危険を回避するために準備をしておくという意味です。
特に台風や地震などの災害はいつ起こるか分からないので、万が一に備えることは大切ですよね。
また「大事をとる」は、小事と大事を比較しながら、その場で判断する時に使うことが多いのに対して、「万が一に備える」は普段からの準備という意味合いが強い言葉だと言えます。
「大事をとって休む」と自分で言っても大丈夫?
仕事で時々「大事をとって休む」と自分で言う人がいます。
基本的には、上司が部下の症状を聞いたりしながら、大事をとって休ませることは問題ないと思うのでは、自分で言うことは大丈夫なのでしょうか?
この場合は、「大事をとって休む」ことの目的によるかと思います。
例えば、他の人にうつしてしまうかもしれない病気の場合は、他の人のためにも自分から大事をとって休むことも大切です。
ただ、無理をして出社したら、自分の体調がもっと悪化するかもしれないというのが目的の場合は、少し微妙なところがありますよね。
「そんな風邪ぐらいで何だ。這ってでも出てこい。」と内心思っている上司にとっては、心象は良くないかもしれません。
でも、無理をして、本当にもっとひどくなりそうな場合は、自分で「大事をとって休む」ことが必要な時もあるかと思います。
ここら辺は、その時の状況に応じて、慎重に判断されることをお勧めいたします。
大事に至るの意味・読み方・例文・類語を解説!