こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、テレビで女性が恋愛したい男性に求める理想像について放送がされたいたのですが、ある女性が「やっぱり、年収は1千円ないとね。」と言っていたんです。
それに対して、ちょっと毒舌気味のコメンテーターが「あなたの立場から、そう言うなんて、虫が良すぎるんじゃねーの!?」と皮肉を言っていたので、思わず苦笑いをしてしまいまいた。
ただ、その時、「何で“虫”なんだろう?」という素朴な疑問が湧いてきたんですね。
そこで、ここでは、「虫が良すぎる」の意味や語源、そして使い方(例文)について解説をしていきます。
「虫が良すぎる」の意味
虫が良すぎるとは、自分勝手に考えていて、都合が良すぎるという意味です。
虫が良すぎる人というのは、他人のことを考えておらず、自分のことばっかり考えている傾向が強いですよね。
「虫」の語源・由来
では、なぜ、そもそも“虫”という表現が使われるのでしょうか?
ここでの虫の語源は、中国の道教で、人間の体内には三尸(さんし:3匹という意味)の虫がいるという教えにあります。
3匹の虫とは、具体的に以下のような特徴を持っています。
- 上尸 (じょうし):頭の中に居座り、首から上の病気を引き起こしたり、物欲を刺激したりする
- 中尸 (ちゅうし):腹の中に居座り、臓器の病気を引き起こしたり、食欲を過度に刺激したりする
- 下尸 (げし) :足の中に居座り、腰から上の病気を引き起こしたり、淫欲を刺激したりする
また、この三匹の虫には、同類がいて全部で九匹の虫がいるとも言われており、その考え方は江戸時代に日本へも伝わっています。
こういった虫達が、人間に様々な病気をもたらし、感情を引き起こすと信じられてきたのです。
そしてこの虫達は、人間のためというよりは、虫の都合のいいように活動をします。
ですから、「虫が良すぎる」とは、自分勝手で、周りの人には都合が悪いことであるという意味が生まれたと言えるでしょう。
虫に関することわざ
また、この“虫”に関わることわざは、他にもいろいろあります。
- 虫の知らせ
- 虫の居所が悪い
- 虫が好かない
- 腹の虫がおさまらない
- 虫のいい話
「虫が良すぎる」の例文
次郎
太郎
- 一日1時間しか勉強していないのに、東大に入るなんて虫が良すぎるよ。
- 天下りをした官僚が多額の報酬をもらうのは虫が良すぎる話だ。
- 今年は、ほとんど1軍の試合に出ていないのに、年棒を1億円ももらうなんて虫が良すぎる
- 今日は、風邪だから学校を休んだというのに、ゲームで遊びたいなんて虫が良すぎるでしょう。
体の中の虫とはうまく付き合おう
体の中に、三匹の虫がいるという話は、昔からの言い伝えであって、実際に、そういう虫がいるというワケではありません。
ただ、病気や感情というものは、私たちの理性を超えたところで、動いているということ自体は事実なのかなと思います。
ですから、虫が良すぎることは、自分自身も気が付くと思いますので、そういった虫は客観的に理解をして、うまくコントロールしていければいいですよね。
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