けりをつけるの意味・語源・例文・類語!「けり」って何?


先日、仕事で悩む私の友人が「そろそろ今の仕事にはけりをつけようと思っているんだ。」と話していんたんですね。

その時、「けりをつける」の「けり」って何なのかなと思いまして・・・

そこで、今回は、「けりをつける」の意味、語源、類語、そして例文について解説をしていきます。

「けりをつける」の意味

「けりをつける」には、「結末をつける」、「決着をつける」という意味があります。

なかなか終わりが見えそうにない試合、気持ち、仕事、話などにきっちりと終止符を打つような時に使います。

「けりをつける」の語源

「けりをつける」の「けり」は、和歌や俳句などで、詠嘆の意味として使われる助動詞を意味します。

「~けり」という形で、最後に「けり」と詠むことが多いため、「結末をつける」という意味で、明治時代以降から「けりをつける」という慣用句が使われ始めました。

「けりをつける」の例文・使い方

今回のプロジェクトは、かなり大がかりなものになりそうだね。簡単には終わらない気がするよ。

次郎

太郎

そうだね。でも、あまりずるずると時間をかける訳にはいかないから、来月中には、けりをつけることが出来るようがんばろう。

という感じで「けりをつける」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

「けりをつける」の例文1

「最後は、彼が決勝ホームランを打つことによって、緊迫した接戦にけりをつけることが出来た。」

スポーツの世界では、緊迫した展開が続き、どちらが勝つか分からない試合をよく見かけますよね。

そんな時、誰かが試合を決定づけるようなプレーをした時、「けりをつける」という表現をよく使います。

「けりをつける」の例文2

「漫画家は10年以上の連載が続いている作品に対して、どうやってけりをつけるべきか悩んでいた。」

人気の漫画作品は、その人気故に、なかなか終わらないようストーリーが展開していくものですが、いつかは、何らかの形で終わりを迎える時が来るものです。

ただ、結末の内容によっては、作品自体が台無しになってしまう時もあるので、人気作品の漫画家の中には、どうやって最後を迎えるべきか、いろいろ悩む方もいるかもしれません。

「けりをつける」の例文3

「彼女と付き合うのは難しいことが、はっかり分かったので、自分の気持ちにけりをつける決心をした。」

自分の思うような方向へ気持ちを持っていくことが非常に難しいのが恋愛というものです。

相手を好きになってしまえばしまうほど、その気持ちを整理することは、簡単ではありませんよね。

それでも、過去の自分と決別をしたい時、「けりをつける」という表現を使ったりします。

「けりをつける」の類語

「けりをつける」には、以下のような類語があるので、ニュアンスの違いも含めて解説をしていきます。

「かたをつける」

「かたをつける」にも「決着をつける」という意味があります。

例えば、勝負事に対して、「かたをつける」と「けりをつける」のどちらも使うことが出来ます。

ただ、語源を見てみると、「かたをつける」は「片付ける」と同じ語源で、不完全なものをまとめるという意味から来ています。

その一方で、「けりをつける」は「結末(けつ)をつける」という意味から来ているので、より、終わらせるという意味合いが強いのは、「けりをつける」です。

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「けじめをつける」

「けじめをつける」にも「結末をつける」という意味があります。

ただ、「けりをつける」は、「完全に終わらせる」ことに対して、「けじめをつける」は、「区別をはっきりさせる」というニュアンスの方が強いです。

また、間違いや過ちなどについて責任を取る場合も「けじめをつける」というなど、使うシーンにもいろいろ違いがあります。

まとめ

「けりをつける」に関しては、時々、漢字で書くなら「蹴りをつける」だろうと考える人もいますが、そうではありません。

この慣用句は、和歌や俳句の終わりの表現から来た慣用句なので、語源を知っておけば、間違うこともないかと思います。

和歌や俳句が「けり」をもって美しく終わっていくように、美しく、そしてスムーズに終えたい時は、「けりをつける」を使ってみて下さい。