小説、羅生門の中に「大儀そうに立ち上がった。」という表現があるのを見て、「これってどういう意味なのだろう」と思う方は多いのではないでしょうか?
実際に、どういう状況で使う表現なのでしょうか?
そこで、ここでは「大儀そうに」の意味、例文、類語について解説をしていきます。
「大儀そうに」の意味
「大儀そうに(読み方:たいぎそうに)」は、いかにも面倒で厄介なことをやる雰囲気を出している時や、いやいややっている時の様子を意味します。
一般的には「面倒くさそうに」という意味で使います。
羅生門での「大儀そうに」の状況
羅生門で「大儀そうに立ち上がった」という表現がありますが、この時、下人は、非常に追い詰められていて、生きるためには、盗人になるしかありませんでしたが、だからといって積極的に盗人になる勇気も持てないという状況でした。
そういった心理状況から「大儀そうに立ち上がった」と表現されています。
ですから、ここでは、「気力が湧かず、迷いの気持ちがある」というニュアンスが含まれるかと思います。
大儀とは?
ちなみに、「大儀」とは、元々は、即位式や朝賀(ちょうが)など、朝廷で行われる最も重要な儀式を意味する言葉です。
そこから「大事な事」→「やっかいなこと」→「面倒なこと」という意味で使われるようになりました。
「大儀そうに」の例文
次郎
太郎
という感じで「大儀そうに」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
「大儀そうに」の例文1
「夫が家事を手伝ってくれることはほとんどなく、何度かお願いしたら大儀そうに手伝うぐらいだ。」
夫は外で仕事をすれば十分だと思っている男性は、家事をすることが、本当に面倒だと思いがちです。
それでも、しつこくお願いしたら、手伝ってくれるかもしれませんが、大儀そうにされると、奥さんとしては、逆にストレスが溜まってしまうかもしれませんね。
「大儀そうに」の例文2
「役所へ行って手続きをしようとしたが、窓口の人が大儀そうに仕事をするので腹が立った。」
役所に行ったら、大儀そうに対応をされて、嫌な思いをする人も少なくはないのではないでしょうか?
もちろん、サービス業ではないとはいえ、あまりにも大儀そうに対応をされると、腹が立ちますよね・・・
「大儀そうに」の例文3
「寝ていた父に一緒に遊ぼうとお願いしたいところ、父は大儀そうにベッドから起き上がった。」
お父さんは、平日は、仕事を一生懸命がんばっていますから、休日になったら、ゆっくり休みたいものです。
お子さんとしては、休日だからこそ、一緒に遊びたいと思うかもしれませんが、仕事の疲れが溜まっていると、大儀そうに行動してしまうことも多々あります。
しかし、そこは暖かい目で見て上げましょう。
「大儀そうに」の類語
「大儀そうに」には、以下のような類語があります。
- だるそうに
- 面倒くさそうに
- 億劫そうに
- いやそうに
- 煩わしそうに
どれも、いやいや感が伝わってくる表現ですよね。
まとめ
「大儀そうに」は、羅生門など文学作品で使われたりしますが、普段の生活では、あまり使わません。
ですから、そういった時は「面倒くさそうに」など、類語に言い換えると分かりやすい表現になるかと思います。