こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、ある会社の社長さんが普段大切にしていることと聞かれて、
「いつもお客様の立場に立って考える視点を心に留めるようにしています」
と話していたんですね。
その時、「心に留める」という言葉を聞いて、これってビジネスでもよく使うけど、相手によって使い方は変わるよなあといろいろ考えていました。
そこで今回は、「心に留める」の意味、例文、類語、そして敬語表現などについて解説をしていきます。
目次
「心に留める」の意味
「心に留める」とは、いつも意識し、忘れないようにしておくという意味です。
「留める」には、「止める」と違って、単に動きを止めるだけでなく、その場所に固定するという意味が加わります。
ですから「心に留める」には、心にずっと意識をしていくという継続的な意味があります。
「心に留める」の読み方は「とめる」?「とどめる}?
「心に留める」の読み方については、「こころにとめる」と「こころにとめる」と2通りの言い方があります。
「とめる」と「とどめる」には、
- とめる:動いているものを停止させる。動いたり離れたりしないよう固定する。
- とどめる:意識をむける。滞在させる。
という違いがあります。
「とどめる」の方が、より継続的な意味が強くなりますが、実際に使う際は、どちらの読み方でも同じような意味で使うことが多いです。
「心に留める」の敬語・丁寧語・謙譲語
「心に留める」はビジネスでもよく使う言葉です。
また、その時は、心に留めて欲しいと丁寧語や敬語を使ってお願いしたり、自分が心に留めることを謙譲語を使って伝えたりしますよね。
具体的には以下のように使い分けると良いでしょう。
- 敬語:お含みおきください。
- 丁寧語:ご留意ください。心に留めて下さい。ご了承ください。
- 謙譲語:心に留めさせて頂きます。留意いたします。
状況に応じて、「心に留める」とは別の表現を使う場合があります。
特に上司に対しては、「心に留めて下さい」とか「ご留意ください」だと失礼になってしまうので、「お含みおきください」を使うのが良いでしょう。
「心に留める」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「心に留める」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- ビジネスで大成功を収めたとしても、その裏には社員達の多大なる貢献があったことを心に留める必要がある。
- 男性は、単純だけれども意外にデリケートな存在であることを心に留めておくと男女の関係はうまくいくものだ。
- 恩師からのアドバイスを心に留めながら、新天地で活躍することを誓った。
- お金は使い方によって人を幸せにも不幸にもすることを心に留めておくことは大切だ。
「心に留める」の類語
「心に留める」には、以下のような類語がありますので、違いも含めて解説していきます。
「肝に銘じる」
「肝に銘じる」とは、心に深く刻み付けて忘れないという意味です。
「心に留める」をもっと強くした表現となります。
「気に留める」
「気に留める」も心にとどめておくとか忘れないようにするという点で「心に留める」とほぼ同じ意味の言葉だと言えます。
ただ、「心に留める」よりは、少し軽いニュアンスがありますし、「気に留める」は、「気に留めない」という感じで否定的な表現で使う時が多いです。
例えば、恩師からのアドバイスは「心に留める」とは言いますが「気に留める」とは言いません。
逆にせっかくのアドバイスを受けても「気に留めない」という感じでは使ったりします。
その他の類義語
「心に留める」には他にも以下のような類語があります。
- 胸の内に留める
- 胸に刻む
- 心に刻む
- 念頭に置く
まとめ
「心に留める」とは、忘れないようにいつも意識しておくという意味ですが、大切な教訓やメッセージを心に留めておくことは、とても大切な事ですよね。
人生やビジネスで過去や先人達と同じ失敗を繰り返してしまう人は、心に留めることをしていなかった可能性が高いのかもしれません。
そういった意味で私たちは、より効率的に成功するため、他人からのアドバイスなどをしっかり心に留めることが必要なのかなと思います。
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