先日、日本代表の監督が、代表選手たちに対して「国の代表になったからには、それを鼻にかけるのではなく、責任を持って行動するんだよ。」と話していたのをニュースで観たんですね。
その時、「鼻にかける」と聞いて、何を鼻にかけるのか気になりまして。
そこで、今回は「鼻にかける」の意味、由来、例文、そして類語について解説をしていきます。
「鼻にかける」の意味
「鼻にかける」とは、得意気になることや、自慢することを意味します。
人は、美男美女であったり、勉強が出来たり、お金持ちであったり、人気があったりすると、ついつい、必要以上に、いい気になってしまう傾向がありますよね。
そういった人を周りの人が、ネガティブに表現する際に、この慣用句を使います。
「鼻にかける」の由来
「鼻にかける」と聞くと、何かを鼻にかけることが由来になったとイメージする人がいるかもしれませんが、実は、そうではありません。
元々の起源は、1840年から2年間にわたって行われたアヘン戦争に遡ります。
それまで、中国は世界的な大国として知られていましたが、1842年にアヘン戦争に敗れ、勝利した西洋人達が、中国へドッと押し寄せて来ます。
そこで、中国に対して、不平等な通商条約を押し付け、無理難題をふっかけるのでした。
そのような高慢な西洋人の振る舞いに対して、ただ、我慢するしかない屈辱を受けた中国人は、
西洋人=鼻が高い人=高慢で得意がる人
というイメージを持つようになったのです。
そして、そういった西洋人を「鼻にかける」と呼ぶようになったことが由来です。
ですから、「鼻にかける」は最初からネガティブな表現として使われ始めた訳ですね。
「鼻にかける」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「鼻にかける」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 彼女は、美人で頭も良かったけれども、そのことを鼻にかける雰囲気は一切なかった。
- 実績を鼻にかけることなく、どんな時にも全力を尽くすのが、彼がスーパースターたる所以だ。
- あの人は、芸能人であることを鼻にかけるわけでもなく、本当に気さくな人なんだ。
- 学歴を鼻にかけると周りの人から、かなり嫌われるぞ。
- 彼は、優勝しても、それを鼻にかけることなく、翌日から、次の大会に向けての準備を始めた。
- あいつは、自分が有名大学出身であることをいつも鼻にかけている。
「鼻にかける」の類語
「鼻にかける」には以下のような類語があります。
- いい気になる
- 調子に乗る
- 得意になる
- 天狗になる
- 気持ちが浮つく
- おだてに乗る
上記の類語を見てもお分かり頂けるように、基本的には、ネガティブな表現が該当します。
まとめ
「鼻にかける」は、何かを鼻にかけることが由来になっていると思いきや、実は、アヘン戦争後の西洋人の態度から来た言葉だったんですね。
確かに、恵まれていると、その時は、気分が良いものです。
ただ、そこで、ついつ高慢な態度を取ってしまうと、周りの人達からの反感を買い、下手をしたら、憎まれる結果になってしまいますから、注意が必要です。
逆に、恵まれた立場に立っても、それを鼻にかけず、謙虚な姿勢を貫けば、逆に多くの人達から、好かれるものです。
そうやって、うまく感情をコントロールしていくのが、やはり大切なことなのだと思います。