先日、友人が「宝くじに当たったと思って、大喜びしたら、実は勘違いだったことが分かって、本当にぬか喜びしちゃったよ。」と話していたのですね。
その話を聞いて、ぬか喜びの“ぬか”って何だろうと、語源などが気になりまして・・・
そこで、今回は、ぬか喜びの意味、語源、例文、類語、そして対義語について解説をしていきます。
「ぬか喜び」の意味
「ぬか喜び」とは、後であてが外れてがっかりするような一時的な喜びを意味します。
「喜び」という表現を使ってはいますが、喜びが大きい分、あてが外れた時のショックは逆に大きくなるものです。
とりわけ、自分の勘違いではなく、相手のミスであった場合は、「ぬか喜びさせやがって~」と憎しみさえ湧いてくる時があるものですよね。
ですから、ぬか喜びは、決して良いものではなく、残念なシーンでよく使われます。
「ぬか喜び」の語源
「ぬか喜び」は漢字では「糠喜び」と書きます。
糠(ぬか)とは、玄米を漂白する際に取れる外皮と胚芽の混合物です。
その状態や性質から、はかない、頼りない、役に立たない、という意味を表します。
そこから、はかない喜びをぬか喜びと呼ぶようになった訳です。
また、糠を同じような意味で使った表現として、
- ぬか雨:極端に短時間に多く激しく降る雨
- ぬか働き:せっかく働いても働きがいのないこと。骨折り損
などがあります。
ただ、「ぬか喜び」には、これ以外にも
- 「糠に釘」が由来:糠に釘を打ち込んで喜んだけれども、すぐに外れたことから
- 「喜びが抜け殻」が由来:糠は玄米を精米した時の抜け殻なので、「喜びが糠」→「糠+喜び」でぬか喜びになった
という説があります。
「ぬか喜び」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「ぬか喜び」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- ゴールを決めたように見えたが、オフサイドであることが分かって、ぬか喜びに終わった。
- 銀行口座に100万円振り込まれたから、大喜びしたのに誤入金だなんて・・・ ぬか喜びさせやがって。
- 欲しかった商品が、100円で販売されていたので、購入したところ、システムの不具合であることが発覚し、ぬか喜びをした。
- テストの問題は完璧に解くことが出来たが、ぬか喜びはしたくないので、平静を保つようにした。
- 誤解を生む表現をしてしまったようで、ぬか喜びさせてごめんなさい。
- 悲しいより悲しいのは、ぬか喜びです(TBSのドラマ『カルテット』でのセリフ)
- ぬか喜びと自己嫌悪を重ねるだけ。でもその度に前に進めた気がする(映画『エヴァンゲリオン』でのセリフ)
- 子供達は、台風の影響で学校が休みになるものだと、ぬか喜びをしていた。
「ぬか喜び」の類語
「ぬか喜び」には、以下のような類語があります。
- 期待外れ(きたいはずれ):期待していたとおりにならないこと
- 元の木阿弥(もとのもくあみ):一時よくなったものが、再び元のつまらない状態に戻ること
- 小糠祝い(こぬかいわい):喜びのあてが外れること
- 水の泡(みずのあわ):はかなく消えやすいもの
いずれも、結果的には、つまらない状態になることを意味するので、そうなってしまった場合、気持ち的にはしんどいですよね。
「ぬか喜び」の反対語
「ぬか喜び」には、これといった反対語・対義語がありません。
ただ、「ぬか喜び」は、後であてが外れてがっかりするような一時的な喜びを意味するので、その反対として、期待していなかったけれども、良い結果が出た時の状態を表すという観点で考えると、いかのような表現が、「ぬか喜び」の反対語だとも言えます。
- 嬉しい誤算(うれしいごさん):見込み違いにはなったけれども、かえって有利な状況になった様子
- 棚からぼた餅(たなからぼたもち):労せずして、よいものを得ること
こちらの方は、何度も味わってみたいものですよね。
まとめ
「ぬか喜び」は、糠(ぬか)が持つ、はかないイメージのように、すぐに消えてしまう一瞬の喜びを意味します。
「ぬか喜び」は、ちょっとした勘違いや過ちによって引き起こされたりするものですよね。
ただ、それによって受けるショックはかなり大きいので、きちんと確認をすることが大切なのかなと思います。