尾を引くの意味・例文・類語・対義語!良い意味では使わない慣用句?

こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

この間、ある恋愛カウンセラーの人が「失恋をした後、女性はすぐに気持ちを切り替えられるんですが、男性は尾を引くことが多いんです。」と解説をしていたんですね。

その時、「尾を引く」という慣用句のズルズル感が気になりまして・・・

ということで、今回は「尾を引く」の意味、由来、例文、類語、そして対義語について解説をしていきます。

「尾を引く」の意味

「尾を引く」とは、物事が終わった後も、影響が残るという意味です。

「尾を引く」は、飛行機、彗星、あるいは花火などが細い線のようなものを残す場合にも使われます。

そういった時は、美しいニュアンスがあったりしますが、慣用句として使う場合は、悪いニュアンスで使われることが圧倒的に多いです。

時々、「感動が尾を引く」というように良い意味で使われることもありますが、ケースとしては少ないです。

手を引くの意味・例文・類語!慣用句としての意味は?

「尾を引く」の由来・語源

「尾を引く」には、何か中国などの出典がある訳ではありません。

ただ、何かが動いた後、細長く形跡を残す場合、その様子が尾のようだというたとえから生まれた言葉だとも言われています。

「尾を引く」の例文・使い方

最近、部長と課長の関係がなんとなくギクシャクしているんだよねえ。

次郎

太郎

先月、二人で大喧嘩したのが尾を引いているんじゃないかな。関係が修復するまで、もう少し時間は掛かると思うよ。

という感じで「尾を引く」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • フルマラソンをした時の疲れが、今でも尾を引いているようだ。
  • 風邪を引いた時に無理をするとこじらせて尾を引いてしまうので、早めにちゃんと休んでじっくり治す方が良い。
  • スキャンダルでイメージダウンしたことが尾を引いて、なかなか以前のような人気を取り戻すことは出来なかった。
  • 結局、あの時の怪我が尾を引いて、その選手は引退に追い込まれた。
  • 昔は、筋肉痛になっても2~3日で回復したのに、歳を重ねると、痛みが随分と尾を引くようになった。

「尾を引く」の類語

「尾を引く」には以下のような類語があります。

  • 禍根を残す
  • 火種をかかえる
  • トラウマを持つ
  • 影を落とす
  • 影響が残る
  • あとを引く
  • 余韻が残る

「尾を引く」の類語の中には、「余韻が残る」のように良い意味の表現もありますが、基本的にネガティブな表現が多い傾向があります。

「尾を引く」の対義語

「尾を引く」の対義語・反対語は、尾を引かないで、スパッと流れを断ち切れるような表現となりますよね。

あとは、状況に応じて以下のうちのいずれかが該当するようになるでしょう。

  • きっぱり諦める
  • 未練を絶つ
  • 吹っ切れる
  • けじめがつく
  • リセットする
  • 水に流す
  • 払拭する
  • 健全化する
  • 平気になる
  • 大丈夫になる

まとめ

「尾を引く」は、何かが終わった後も、影響が残り続けることを意味します。

「尾を引く」ことは、どちらかと言えば、悪い意味で使われることの方が多いです。

それが何故かと考えてみましたが、やはり、過去にこだわり続けることは、いろいろな意味で良くないという認識が人々の中にはあるからなのかと思っています。

これは、恋愛や仕事などすべてに通じるものですが、失敗をした場合、その時にしっかり反省をして次に活かす必要はあったとしても、ずるずると尾を引くことは決して良いことはありません。

逆に、何か良いことがあったとしても、その余韻に浸るよりは、次のステージに向かって歩み出していくことはすごく大切です。

人生にはいろいろなことがありますが、尾を引くことは避けて、良い意味で気持ちで気持ちを切り換えてがんばっていければいいですよね。