こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、上司から怒鳴られて落ち込んでいる会社の後輩に「誰だって失敗することはあるさ。また、一緒にがんばろうよ。」と言って励ました上げたんですね。
すると、後輩が「先輩の優しが身にしみます。」と少し感動した様子で話していたのです。
その時、「身にしみる」という言葉は、体だけでなく、心で感じた時にも使う言葉だなと改めて思いまして・・・
そこで、今回は、「身にしみる」の意味、漢字表記、使い方、そして類語について解説をしていきます。
「身にしみる」の意味
「身にしみる」には、大きく分けて2つの意味があります。
- 体に堪える。秋の冷気が痛切に感じられる。
- 心に深く感じる。しみじみ感銘する
1番目の意味は、文字通り、体で感じるという意味ですが、2番目の意味は、体ではなく心で感じるという意味です。
また、心で感じる場合、優しや心遣いなどに感動する時に使う時もあれば、辛さや厳しさを痛切に感じる時にも使ったりします。
「身にしみる」での漢字は?
「身にしみる」の「しみる」で使う漢字は、「染みる」でも「沁みる」でもどちらでも大丈夫です。
ちなみに「しみる」の漢字は一般的に以下のような感じがあります。
- 染みる:色やしみが付く
- 沁みる:液体が入って痛む。心にしみじみと感じる
- 浸みる:液体がじわじわと浸みこむ。
- 滲みる:期待が少しずつ浸みこむ。
- 凍みる:物がこおる
この中で、「沁みる」だけが“心に感じる”という意味を持つので、「身にしみる」の本来の意味から考えれば、「身に沁みる」の方が適切だと言えます。
ただ、「沁みる」は、常用外漢字なので、「染みる」と表記しても良いとされています。
ですから、「身にしみる」を漢字で書くと、「身に沁みる」か「身に染みる」のいずれかということになるのです。
「身にしみる」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「身にしみる」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 大学生になって一人暮らしを始めると、親のありがたみを身にしみて感じるものだ。
- 年を重ねると、適度な休息の大切さが身にしみる。
- 朝から冷たい雨で身にしみる寒さとなった。
- 「若さの大切さは失ってから分かるものだ」という言葉の重みが今になって身にしみる
- 辛い時に、励ましの言葉をくれた彼女の心遣いが身にしみるほどありがたかった。
- 寒さもひとしお身にしみるころ、年の瀬も押し迫ってまいりました(手紙の挨拶で使う表現)
「身にしみる」の類語
「身にしみる」には以下のような類語があります。
- 心底感じる
- 痛切に思う
- 魂を揺さぶる
- ひしひしと感じる
- 骨身にしみる
- 実感する
「身に染みる」には、寒さを感じる時、感動した時、辛さを味わった時など、様々な使い方がありますので、状況に応じて言い換えられる言葉は異なります。
まとめ
「身にしみる」は、寒さを感じる時だけでなく、心に深く感じる時にも使う慣用句です。
表面的なところで感じるものではなく、心身の奥深いところで、ジーンと来た時によく使う表現ですね。
人の優しさ、或いは本当に辛いことをしみじみ味わった時には、是非、使ってみて下さい。