「蕩れ」という言葉を聞いて、「何それ!?」と思う方も多いのではないでしょうか?
それもそのはず、「蕩れ」は俗語だからです。
ここでは、「蕩れ」の読み方、意味、そして使い方について解説をしていきます。
「蕩れ」の読み方
「蕩れ」の読み方は「とれ」です。
「蕩」には、「とう」という音読みがあったり、「蕩ける」と書いて「とろける」と書いたりしますが、元々の読み方に「とれ」はありません。
「蕩れ」は、「見蕩れる(みとれる)」から来た造語で、「とれ」と読んでいます。
ですから、厳密には、間違った読み方ではあります。
「蕩れ」の意味
「蕩れ」は、ある物や人に対して持つ一方的で非常に強い愛着心を意味します。
元々は、西尾維新(にしおいしん)が書いたファンタジー小説、「化物語(ばけものがたり)」でヒロインの戦場ヶ原(せんじょうがはら)ひたぎが生み出した言葉です。
「化物語」の中で、「蕩れ」は、「見蕩れる(みとれる)」をベースにして生まれ、萌えの一段階上を行くセンシティブな言葉という定義となっています。
つまり「蕩れ」は「萌え」の上級活用の表現である訳ですが、それ故に気軽に使ってはいけない言葉だともされています。
ただ、「蕩れ」の出典となった「化物語」自体が、10代のアニメ好きの方に支持されているニッチな世界での言葉なので、普通の大人たちは、まず使わない表現です。
「蕩れ」の例文・使い方
「蕩れ」の使い方に関して、「化物語」の中で、ヒロインの戦場ヶ原は、
- メイド蕩れー
- 猫耳蕩れー
という例を挙げています。
また、「化物語」の五話で、ヒロインの戦場ヶ原が、主人公の阿良々木暦(あららぎこよみ)に“I love you”と告白をしたのに対して、阿良々木は、
- 「流行ると良いな。戦場ヶ原、蕩れ」
と返しています。
ここでの「戦場ヶ原、蕩れ」は、「僕は、戦場ヶ原に見蕩れている」、つまり、「僕は戦場ヶ原が大好きだ」という意味で使われています。
あと、普段の生活で使うとすれば、
- 彼女のメガネ姿、蕩れ~
- いやあ~、蕩れ。
- マジで可愛い。萌え通り越して蕩れだよ。
という感じでしょうか。
基本的には、「萌え」を更に強調したい時、「萌え」の代わりに使ったりします。
「蕩れ」は流行らなかった!?
「蕩れ」は、少なくとも、「化物語」の中で、戦場ヶ原は、流行らそうとしましたが、結果的には流行らなかったと言われています。
その理由は、「蕩れ」をタイピングで入力するために「とれ」と打って変換しても、うまく変換できないからだとも言われています。
「蕩れ」と入力するには、「見蕩れる(みとれる)」と入力して、「見」と「る」を取ったり、或いは、「蕩ける(とろける)」と入力して、「ける」を消して「れ」を付けたりする方法があります。
ただ、いずれも面倒くさいですよね・・・
しかし、アニメ好きの方の中には、「蕩れ」とか「戦場ヶ原、蕩れ」という表現を時々、使ったりしているので、そういった表現を見かけた時は、「萌え」の一段階上の意味なんだと理解されると良いでしょう。