以前、テレビを観ていたら、「群衆がどよめく」の「どよめく」を漢字で書くと「響動めく」だという話があったんですね。
そこで、意外な正解に会場がどよめいていたかは、さておいて・・・
ここでは、「どよめく」の意味、例文、そして類語などを解説していきます。
目次
「どよめく」の意味
「どよめく」には、以下の3つの意味があります。
- 鳴り響く
- 大勢の人が思わず声を出し騒がしくなる
- 動揺する、心が揺れ動く
鳴り響く
「どよめく」は、雷鳴や砲声など、大きな力が働いて、巨大な音が鳴り響く時に使います。
普通に大きい音というよりは、腹の底にドーンと響くような音というニュアンスがありますね。
騒がしくなる
会場に集まった人や群衆など、多くの人達が思わず声を出して騒がしくなる時にも「どよめく」は使うことが出来ます。
スポーツの試合で新記録が出たり、コンサートでアッと驚くようなパフォーマンスが披露されたりした時などに使われることが多いです。
動揺する
大きな音や声が出なくても、心が揺れ動くような衝撃を感じた時にも「どよめく」を使います。
「どよめく」の漢字表記は?
「どよめく」を漢字で表記しようとした場合、実は、辞書の違いによって3パターンに分かれます。
- 響く(goo辞書)
- 響めく(明鏡国語辞典、大辞林 第三版)
- 響動めく(広辞苑、漢検 漢字辞典、学研全訳古語辞典)
送り仮名は「めく」「く」のどっち?
まず、「響く」と「響めく」と2パターンの送り仮名がありますが、「響く」にすると、「ひびく」と間違えて呼んでしまう可能性があります。
また、「どよめく」は、「どよむ」という動詞を含む言葉なので、その場合は、含まれている語の送り仮名を踏襲し、「響む(どよむ)」→「響めく(どよめく)」とするのが自然の流れです。
ですから、「響く」よりは「響めく」の方が良いと言われています。
漢字は1文字?2文字?
次に漢字は「響めく」という1文字なのか、それとも「響動めく」という2文字なのかについて解説をしていきます。
ここで逆に「響」という漢字を調べた時、「響めく」という読み方が出て来るかチェックしてみると、漢検漢字辞典や漢語林など主要な辞書でも、「響めく」という読み方は紹介していません。
そのため、結果的に「響動めく」という漢字2文字を使った表記が一番無難なのではないかと言われています。
ただ、「どよめく」を漢字で書くと、かえって読みづらいので、平仮名で「どよめく」と書くのが一番伝わりやすいでしょう。
「どよめく」の例文・使い方
次郎
太郎
- 彼が投げたボールのスピードに球場全体がどよめいた。
- まだ20代に見えた出演者が実は40代であったことが分かり、会場はどよめいた。
- タレントが、SNSで公開したすっぴんの顔にネット社会がどよめいた。
- 友達の家で、冷蔵庫を開けたら、完全に変色したカレーが出て来たので心がどよめいた。
「どよめく」の類語
「どよめく」には以下のような類義語に言い換えることが出来ます。
「鳴り響く」という意味での類語
- 轟く(とどろく)
- 響き渡る
「騒がしくなる」という意味での類語
- 騒ぐ
- ざわめく
- 湧き立つ
「動揺する」という意味での類語
- 混乱する
- 動転する
- 平静さを失う
- 取り乱す
「どよめく」をどのような意味で使うかによって、言い換えられる類語は異なりますので、状況に応じて使い分けて下さいね。