先日、会社の同僚から、「何か分からないことがあったら、いつでも耳を貸すから、遠慮なく聞いてね。」と言われまして。
その時、「耳を貸す」って、レンタルショップでもあるまいし、面白い表現だなと思ったんですね。
そこで、今回は、「耳を貸す」の意味、例文、そして英語での表現について解説をしていきます。
「耳を貸す」の意味
「耳を貸す」とは、相手の話を聞いたり、聞こうとしたりすること、相談にのってやること、を意味します。
いわゆる「聞く」ことを意味するのですが、ただ単に聞くのではなく、相手の気持ちを真摯に受け止めながら聞くニュアンスがあります。
ですから、「耳を貸さない」と否定形で用いる場合は、相手の話を聞く気持ちが一切ない「馬の耳に念仏」状態だと言えます。
「耳を貸す」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「耳を貸す」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 彼は、友人の忠告に耳を貸すことなく、勝手に森の奥まで入っていってしまった。
- リーダーたるものは、自分の意見に賛同する人だけでなく、反対をする人の意見にも耳を貸すべきだ。
- 彼女は、周囲から引き留められても、耳を貸すことなく、退職した。
- ネット上で、ただ批判的なことばかりを言っている人の意見には、耳を貸すべきではない。
- パソコンのことで聞きたいことがあるんだけど、ちょっと耳を貸してくれないか?
- うちの会社の社長は、社員の意見に耳を貸さないで、何でも勝手にやってしまうから、本当に困ったものだよ。
「耳を貸す」と「耳を傾ける」の違いは?
「耳を貸す」の類語の一つに「耳を傾ける」という慣用句があります。
どちらも「相手の話を聞く」という意味では共通していますが、
- 耳を貸す:相手のちょっとしたアドバイスや忠告を聞く
- 耳を傾ける:敬意を持って、相手の話を熱心に聞く
という違いがあり、「耳を貸す」よりも「耳を傾ける」の方が、より熱心に聞くというニュアンスが強まります。
「耳を貸す」を英語で言うと?
「耳を貸す」は英語で言うと、“listen” です。
英語で「聞く」という単語には、“hear” と “listen” がありますよね。
“hear”は、音が自然と耳に入って来る時に使うのに対して、“listen” は相手の話を集中して聞く時に使います。
「耳を貸す」も、聞こうという意識を持って使う表現なので、“listen” と訳すのが正しいです。
体を貸す慣用句は他にある?
「耳を貸す」とは、相手の話を聞くこと、聞こうとすることを意味しますが、体の一部を「貸す」という表現には他にも以下の慣用句があります。
- 肩を貸す:手助けをする。後援する。
- 手を貸す:手助けをする。手伝う。
- 胸を貸す:相撲で、上位の力士が下位の者にけいこの相手をしてやる。
- 顔を貸す:頼まれて人に会ったり人前に出たりする。
もちろん、体の一部を文字通りレンタルすることは不可能ですが、慣用句としては、いろいろなものを貸す表現があるので、機会があれば、使ってみて下さいね。