先日、テレビである有名な学者さんが、「今回の首相の発言は最高裁の判決と軌を一にするものだ。」と発言していたんですね。
その時「軌を一にする」って、やっぱり学者さんは、随分、難しい言葉を使うものだなあ思ったのですが、この言葉は、結構、誤用する人も多いそうで・・・
ということで、今回は「軌を一にする」の意味、例文、そして類語について解説をしていきます。
「軌を一にする」の読み方
「軌を一にする」の読み方は、「きをいつにする」です。
「一に」を「ひとつに」と読まないように気を付けましょう。
「軌を一にする」の意味
「軌を一にする」には2種類の意味があります。
- 考え方ややり方が同じである
- 国が統一される
実際に使う場合は、1の意味で使われることの方が多いです。
「軌を一にする」の語源・由来
ここでの「軌」は、車が通った跡という意味です。
つまり、「軌を一にする」とは、車が通った跡を同じくするように、考え方ややり方が同じだという意味になります。
また、北史(ほくし)という中国の北朝について書かれた歴史書の崔鴻伝で、両輪の幅を同一にするという意から国家が統一されるという意味も生まれました。
「軌を一にする」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「軌を一にする」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 訪日観光客の増加と日本に対するイメージの向上は軌を一にしている。
- 国の独裁体制を強化する方向性と軌を一にするように監視システムが整理されていった。
- 当時の役人たちの無謀なふるまいは、腐敗した組織の実態と軌を一にするものであった。
- 景気の悪化と軌を一にするかのように治安も悪化した。
「軌を一にする」の類語
「軌を一にする」には、以下のような類語があります。
- 同じ方向性である
- 同じ考え方である
- 立場を同じくする
- 目標を同じくする
「軌を一にする」だと、言葉の意味が難しくて、意味が伝わりにくい時もあるります。
ですから、そういった時は、上記のような類義語に言い換えると良いでしょう。
「軌を一にする」は誤用されやすい
「軌を一にする」は誤用されることが多い言葉でもあります。
誤用してしまう例としては、
- × 期を一にする
- × 機を一にする
- × 気を一にする
などがあります。
恐らく、「同時期に行う」、「時機(タイミング)を合わせる」、「気持ちを合わせる」という意味で使いたくて、こういった漢字を使っているのだと思いますが、いずれも誤用なのでご注意下さい。
ただ、「軌を一にする」と「揆を一にする」
太郎
まとめ
「軌を一にする」は考え方ややり方が同じであるという意味の慣用句ですが、主に社会問題や歴史問題、あるいは政治問題を扱う際に使われることが多いです。
その一方で、日常生活ではあまり使わないので、普段の生活では、「同じ考えだ」とか、「同じやり方だ」というように、別の言葉で表現しても良いかもしれませんね。