人間万事塞翁が馬の意味・使い方・類語・座右の銘にしている有名人

人間万事塞翁が馬の意味


「人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)」とは、人の幸・不幸は予測することが出来ないので、容易に一喜一憂すべきではないという意味です。

ここでの「人間」は、世間のことを意味しています。

ちなみに、「人間」の読み方が、”じんかん”なのか、”にんげん”なのか、迷うところなのですが、どちらの読み方も使われています。

厳密にいうと、漢語の世界では、”じんかん”と呼び、現代では、”にんげん”と読むのが一般的になっているようです。

そして、塞翁(さいおう)とは、塞(とりで)に住む老人のことを指します。

「人間万事塞翁が馬」の由来・エピソード

「人間万事塞翁が馬」淮南子(えなんじ)という中国の前漢時代の思想書に出てくる話です。

昔、塞(とりで)の付近、おじいさんがとその息子が住んでいました。

ある日、おじいさんの飼っていた馬が、逃げ出してしまいました。

人々はおじいさんのことを気の毒に思いましたが、おじいさんは、「そのうち、福がやってくるだろう」と言います。

すると、逃げた馬は、駿馬を連れて戻って来たのです。

人々が喜ぶと、おじいさんは、「これは不幸の元凶かもしれない」と言います。

すると、その馬に乗った息子が落馬して、足の骨を折ってしまいました。

再び、人々が気の毒に思うと、おじいさんは、「これは幸福なことだったのかもしれない」と言います。

すると、その頃、大きな戦が起こり、周辺の若者のほとんどは戦士してしまったのですが、おじいさんの息子は足を骨折したが故に、兵役を逃れ、命が助かったのです。

「人間万事塞翁が馬」の使い方・例文

今回のクレーム騒動は本当にきつかったよなあ。

次郎

太郎

でも、あのクレームのおかげで、品質管理が徹底できるようになったから、これからきっと業績は伸びると思うよ。人間万事塞翁が馬だと思ってがんばろう!
  • 妻は、足を骨折をして外でのアルバイトが出来なくなったけれども、家にいる間、ネットビジネスに集中したら大成功した。まさに、人間万事塞翁が馬だ!
  • 第一志望の大学に落ちてしまったけれども、滑り止めで合格した大学に言ったら、そこで素敵な彼女に巡り合うことが出来た。人生って人間万事塞翁が馬だなあ。
  • あの野球選手は、肘を痛めてピッチャーを断念しなたんだけれども、人間万事塞翁が馬だと思いながら、必死に努力をして、見事に打者として成功した。
  • 中間テストで悲惨な点数だったので、死ぬ気になって勉強したら、期末テストで、クラス一位になることが出来た。今から振り返れば、悪かったテストも、人間万事塞翁が馬なんだと思う。

「人間万事塞翁が馬」の類語

「人間万事塞翁が馬」の類語には以下のような言葉があります

  • 一寸先は闇(※)
  • 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり
  • 人生何があるかわからない
  • 禍福は糾える縄のごとし(かふくはあざなえるなわのごとし)

“一寸先は闇”と聞くと、えっと思うかもしれませんが、これは、「人間万事塞翁が馬」の負の側面に焦点を当てた言葉になるかと思います。

「人間万事塞翁が馬」を座右の銘にしている有名人 

人間万事塞翁が馬を座右の銘にしている有名人には、以下の方がいらっしゃいます。

  • 山中伸弥さん(iPS細胞を発見した教授)
  • 芦田愛菜さん(女優)
  • 岡田武史さん(元サッカー日本代表監督)
  • 松井秀喜さん(元ヤンキースのメジャーリーガー)

例えば、山中教授は、元々、臨床医だったのですが、うまく行かずに研修者になり、その結果、ノーベル賞を取るまでに至りました。

山中教授は、そんな半生を振り返って、iPS細胞は「塞翁が馬」から生まれた講演会で話されたりしています。

また、松井秀喜選手は、座右の銘である「人間万事塞翁が馬」を実践したエピソードについて、あるインタビューで話したことがあります。

松井選手は、選手時代に手首を骨折して、連続試合出場の記録が途絶えてしまったことがありました。

しかし、その時に、「手首を骨折したお陰で、打撃改造のチャンスを得ることが出来た」と前向きにとらえ、復帰戦で見事4安打を放ったというのですね。

松井選手の生き方には本当に人徳を感じますよね!

「人間万事塞翁が馬」を座右の銘にして感じること

私も、「人間万事塞翁が馬」を座右の銘にしています。

松井選手から影響を受けた部分も大きかったのですが、実は、この言葉を座右の銘にしないとやってられなかったという理由もあります。

自分自身の半生は、かなり波乱万丈だったと思っているのですが、その中で、人生の底を這いずり回っているような期間は、「人間万事塞翁が馬」の言葉を握りしめ、半分自分を騙しながら、希望をひねり出して生きてきたところがあります。

そういった自分自身の経験を通じて、「人間万事塞翁が馬」を座右の銘にしている有名人の方々も、きっと華やかな活躍の裏で、相当な苦労をされてきたんだろうなあと感じざるを得ないのです

実際、有名な人であればあるほど、調子が悪い時などは、ものすごいバッシングを受けるものですから・・・

ちなみに私は、水戸黄門の”ああ人生に涙あり”という歌も大好きです。

人生楽ありゃ苦もあるさ
涙の後には虹も出る
歩いてゆくんだしっかりと
自分の道をふみしめて

これぞ、まさしく、「人間万事塞翁が馬」の歌って感じですよね。

えっ、誰ですか?

「人生苦労ばかりだよ」って言っている人は^^;

そんな人にこそ、「人間万事塞翁が馬」の言葉を贈りたいと思います!