こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、刑事ドラマを見ていたら、それまで完璧なアリバイを作っていた犯人の嘘がバレるシーンがあったんですね。
そこで、刑事が「遂に馬脚を現したな」と叫んでいたんです。
その時「馬脚を現す」という言葉を聞いて、なぜ、馬の脚が出ると、そんなにマズイのかと思ってしまいまして・・・
ということで、ここでは、「馬脚を現す」の意味、由来、例文、そして類語などについて解説をしていきます。
「馬脚を現す」の意味
「馬脚を現す」(読み方:ばきゃくをあらわす)とは、隠していた本性や悪事が明らかになるという意味です。
「化けの皮が剥がれる」と同じような意味で、悪い意味でしか使われません。
「馬脚を現す」の由来・語源
では、なぜ、馬の脚が現れてしまうことが、そんなにマズイことなのでしょうか?
このことわざは、芝居で馬の脚を演じている役者が、芝居中にその姿をうっかり現してしまうことが語源です。
つまり、ここで現れるのは、脚だけでなく、役者の体全体ということになります。
確かに、観客は馬だと思って見ているのに、いきなり人の姿が現れたら、さすがにマズイですよね。
「馬脚を出す」は誤り
「馬脚を現す」の出典元は、中国の古典劇「元曲陳州糶米 元曲陳州糶米」なのですが、そこでは、「露出馬脚来」と中国語では、“露”と表現されています。
ですから、「馬脚を現す」は「馬脚を露わす」とも書きます。
ただし、「馬脚を出す」と書くのは誤りです。
「馬脚を現す」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「馬脚を現す」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 息子は塾に行くと言っておきながら、実は彼女と遊んでいたことが発覚し、馬脚を現すことになった。
- 彼は、妻に内緒で数百万円の借金があるが、馬脚を現すのは、時間の問題だろう。
- 彼らは、政党の人気にあやかって当選したが、元々、政治家としての能力はなかったので、すぐに馬脚を現した。
- その車はデザインが非常に良いが、馬力がないため、坂道での運転では馬脚を現す感じになる。
- そのタレントは、クリーンなイメージがあったが、不倫の発覚という形で、馬脚を現してイメージが失墜した。
「馬脚を現す」の類語
「馬脚を現す」の類語には以下のようなものがあります。
- 本性を露にする
- 尻尾を出す
- 化けの皮が剥がれる
- メッキが剥がれる
- お里が知れる
こうやって見てみると、隠していたことがバレるという表現には、いろいろなたとえばあるんですね。
まとめ
「馬脚を現す」は、馬の脚が現れるという訳ではなく、馬の脚を演じている役者が姿を現してしまうことから来た言葉です。
元々は、中国の古典から来たことわざですが、現代社会でも、政治や社会問題など、いろいろなシーンで幅広く使われています。
そういった点から考えると、悪事やその人の本性というものは、いつか必ず、バレてしまうものなのかもしれません。