備えあれば憂いなしの意味・使い方・類語!座右の銘としても有効

「備えあれば憂いなし」の意味


「備えあれば憂いなし」は、普段から準備をしておけば、いざという時でも何も心配することはないという意味です。

「備えあれば憂いなし」の出典は、中国の歴史書である「書経」、さらなるルーツは、「春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)」です。

そこで、中国の最古の王朝・殷(いん)の宰相である傳説(ふせつ)が次のように語っています。

「これ事を事とする乃ち其れ備え有り、備えあれば患いなし」

“これ事を事とする”とは、するべきことをやっておくという意味です。

また、ここでは、”患いなし”となっていますが、”憂いなし”と同じ意味で、心配、不安、災いなどの意味が含まれています。

「備えあれば憂いなし」の使い方・例文

今は、晴れているけれども、天気予報では、これから雨が降るかもしれないって言ってたから、営業に行く時は、傘を持っていくのがいいと思うよ。

次郎

太郎

そうだね。備えあれば憂いなしとも言うから、念のため、折りたたみ傘を持っていくことにするよ。
  • インフルエンザの予防接種を受けたからといって、インフルエンザに掛からない保証はないけれども、備えあれば憂いなしともいうから、一応、受けておくことにした。
  • 備えあれば憂いなしということで車の任意保険に入っておいたけど、まさか、本当に事故が起きて、保険が役立つとは思っていなかったなあ。
  • 成績が悪い人は、試験前しか勉強をしていないけど、成績が優秀な人は、備えあれば憂いなしということで、毎日、勉強をしている。その違いが大きいかな。
  • 第一志望の大学に受かる自信はあるけれども、備えあれば憂いなしということで、他に2つの大学受験も受けることにした。

「備えあれば憂いなし」の類語・同じ意味のことわざ

「備えあれば憂いなし」の類語や同じ意味のことわざには以下の言葉があります。

  • 後悔先に立たず
  • 転ばぬ先の杖
  • 降らぬ先の傘
  • 念には念を入れよ
  • 予防は治療に勝る
  • 濡れぬ先の傘
  • 降らぬ先の傘
  • 遠慮なければ近憂あり
  • 降らぬ先の傘
  • 用心に怪我なし
  • 事を事とすればすなわちそれ備えあり
  • 用意周到

「備えあれば憂いなし」の反対語・対義語

「備えあれば憂いなし」の反対語や対義語は以下のような言葉があります。

  • 戦を見て矢を矧ぐ(はぐ)⇒戦が起こるのを見てから矢を作り始める
  • 泥棒を捕らえて縄を綯う(なう)⇒泥棒を捕らえてから縄を作り始める
  • 盗人を見て縄を綯う(なう)⇒盗人を見てから縄を作り始める
  • 渇して井を穿つ(うがつ)⇒のどが渇いてから井戸を掘る
  • はまった後で井戸の蓋をする⇒井戸にハマった後にフタをする

「備えあれば憂いなし」は座右の銘としても有効!

「備えあれば憂いなし」ということわざを座右の銘として、使っている人も中にはいらっしゃいます。

実際、ビジネスの世界でも大きな失敗をしない人というのは、以下のように何らかの備えをしていることが多いです。

  • パソコンが万が一故障した時のために、バックアップを取っておく
  • ビジネスで稼いでいても、その方法がダメになった時に備えて、新たなビジネスの手法にチャレンジしていく
  • 会社で絶対遅刻をしないように、普段から30分前には会社に到着するようにする
  • スマホの充電が万が一切れても大丈夫なように補助バッテリーを持ち歩く
  • 仕入れ先を分散して、一つの仕入れ先に依存し過ぎないようにする
  • どんな業務にも対応できるよう、普段から勉強を欠かさない

「備えあれば憂いなし」ということわざは、まさしく、リスクを減らし、成功する確率を高める上で、重要な格言なのだと思います。

特に現代は、物事の移り変わりが早く、何が起きるか分からない時代になって来ました

だからこそ、「備えあれば憂いなし」という言葉をしっかり実践して、あらゆる変化に対応していく姿勢が、これから益々必要とされるのもしれませんね。