反芻の意味・例文・類語をわかりやすく解説!

先日、私の友人が、「この間、観た映画はすごく印象的で、見終わった後、何度も映画のシーンを反芻しているんだ。」と話していたんですね。

「反芻」って随分、難しい言葉を使うものだなあと思いまして・・・

そこで、今回は、「反芻」の意味、例文、類語、そして英語での表現を出来るだけ、わかりやすく解説していきます。

「反芻」の読み方

「反芻」の読み方は「はんすう」です。

ただ、「反芻」と書いてしまうと、読めない人も出て来るので「反すう」と書くケースも多いです。

「反芻」の意味

「反芻」には、2つの意味があります。

  1. 食物を噛んで飲み込んだ後、胃の中から再び口の中に戻して噛むこと
  2. 繰り返し考えたり、味わったりすること

1番目が本来の意味で、2番目は、そこから派生した意味ということになります。

また、1の意味では、動物の食べ方で、2の意味では、人間の考え方を表現する時に使います。

反芻動物の胃は特殊である

「反芻」とは、牛、羊、山羊、キリン、あるいはラクダなどが、草をしっかりと消化して乳や肉に変えるために行っている食べ方です。

こういった食べ方をする哺乳類を反芻動物と言います。

なぜ、そんな特殊な食べ方が出来るのかというと、反芻動物には胃が4つもあるからです。

口に近い方から、第1胃、第2胃、第3胃、第4胃と呼ばれています。

反芻動物が草を食べると、最初に第1胃に送り込まれ、そこで食物繊維を分解します。

しかし、第2胃は、ポンプのように収縮していて、半分ぐらいに消化された草を再び、口に送ります

半分消化された状態で、口の中に戻された草は、再び、20~50分間、モグモグしながら、噛み直されて、再び、第1胃に送り込まれます。

その後、第3胃で、草はすり潰され、第4胃で完全に消化される仕組みになっているのです。

「反芻」の例文・使い方

昨日のサッカーの試合は、終了間際の決勝ゴールがすごかったねえ。

次郎

太郎

うん、あのゴールは本当に感動的だったから、あの後、頭の中で何度も反芻したよ。

という感じで「反芻」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 動物園でキリンが口をモグモグしているのは、反芻しているからだ。
  • 彼は、夜中に目覚めた後、直前まで見ていた夢を反芻した。
  • 人は、過去の嫌な思い出を反芻してしまう時があるが、そんなことをしても不安な気持ちが増長されるだけである。
  • 恋愛をしている時は、好きな人の言葉や表情をついつい反芻してしまう。
  • 今になって親から言われたことを反芻してみると、非常に意味深い言葉が多かったことに気が付く。

「反芻」の類語

「反芻」には以下のような類語があります。

「復唱」

「復唱」とは、言われたことを自分も唱えるという意味です。

「反芻」と意味は似ていますが「反芻」は、繰り返して考えるという思考としての意味となるので、その点で異なります。

「咀嚼」

「咀嚼(そしゃく)」とは、食物を細かくなるまで、よく噛むことというのが本来の意味で、そこから物事や文章の意味をしっかり考えながら味わうという意味もあります。

「反芻」と似たような意味に聞こえますが、

  • 咀嚼:ただ単にじっくり噛む
  • 反芻:胃の中に流し込んだものを再び口に戻して噛む

という点で決定的な違いがあります。

また思考方法に関しても、

  • 咀嚼:じっくり考える
  • 反芻:繰り返して考える

という違いがあります。

「反芻」の英語での意味

「反芻」を英語で表現する場合、「反芻」のどちらの意味であるかによって、表現は異なります。

  1. 動物の反芻の場合:chew the cud
  2. 考え方の反芻の場合:keep thinking back, think back, replay over and over

まとめ

「反芻」とは、動物が胃の中に飲み込んだものを再び、口に戻して噛むという意味が由来となって、物事を繰返し考えたり、味わったりするという意味です。

「反芻」は馴染みの薄い言葉からもしれません。

ただ、動物園に行くと、キリンや牛が、口をモグモグさせながら反芻してますので、そういった様子を見ながら、反芻を身近に感じてみてはいかがでしょうか?