音を上げるの意味・由来・例文・類語!それってどんな音?


先日、あるドラマで熱血教師が、「これぐらいの練習で音を上げるんじゃないぞ!」と叫んでいたんですね。

その時、「音を上げる」の「音」ってどんな音なのかと気になりまして・・・

そこで、今回は、「音を上げる」の読み方、意味、由来、例文、類語、そして英語での表現について解説をしていきます。

「音を上げる」の読み方

「音を上げる」は慣用句として使う場合、読み方は「ねをあげる」です。

これを「おとをあげる」と読んだら、ただ単に音量を上げるというまったく違った意味になってしまいます。

「音を上げる」の意味

「音を上げる」とは、苦しさに耐えることが出来ず、声を立てる、弱音を吐く、或いは降参するという意味です。

仕事や練習がキツイ時、思わず、弱音を吐いてしまったり、泣き言を言ってしまったりする時ってありますよね。

そういう状態に陥って、気持ちが後ろ向きになってしまった時に、この慣用句をよく使います。
    
また、愚痴や泣き言を言わず、黙った状態でも、キツイ顔をしていたら、「音を上げる」と言われたりします。

「音を上げる」の由来・語源

「音を上げる」の「音」は、“ね”と読みますが、“おと”が大きな音響を意味するのに対して、“ね”は、比較的小さな、人の感情に訴える音声を意味します。

また、“ね”には「泣き声」という意味もあります。

ですから「音を上げる」の「音」は泣き言の音だと言えます。

「音」を“ね”と読むケースとしては、「本音」、「弱音」、「ぐうの音」などがありますが、いずれも感情に訴える音ですよね。

つまり、苦しい時に、思わず泣き言を出すこととが由来となって、「音を上げる」と言うようになった訳です。

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「根を上げる」との誤用に注意を!

「音を上げる」と聞いて、「根を上げる」じゃないかと思う方もいらっしゃるかと思いますが「根を上げる」は誤用です。

実際、「根を下ろす」(しっかりと位置を占める、定着する)の反対の意味で、「根を上げる」と考える方もいらっしゃるようです。

ただ、「根を上げる」という言葉自体、存在しません。

「音を上げる」の例文・使い方

最近は、価格競争がし烈だよね。どこの会社もこんなに安くして大丈夫なのかな。

次郎

太郎

ここまで、値段が下がると、利益を出せなくて、音を上げる会社も出てくると思うよ。やっぱり、もっと差別化を図って、値段を下げないようにしないとね。

という感じで「音を上げる」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 介護の仕事は過酷なので、途中で音を上げて辞めてしまう人が多い。
  • この我慢比べは、どちらかが音を上げるまで続くだろう。
  • 大手企業から、価格の引き下げを何度も要求され、音を上げる下請け企業は多い。
  • この急激な坂は、どんなにタフな人でも音を上げてしまうということで有名である。
  • 彼は、サッカーが大好きなので、どんな過酷な練習にも決して、音を上げることはなかった。

「音を上げる」の類語

「音を上げる」の類語には以下のような表現があります。

「ギブアップする」

「ギブアップする」は「降参する」という意味で、元々は、英語の“give up(あきらめる)”から来た言葉です。

「音を上げる」と同じような意味で使いますが、格闘技の時は「ギブアップする」を使いますよね。

「断念する」

「断念する」とは、自分の希望などを、きっぱり諦めることを意味します。

「音を上げる」と同じような意味でも使えますが、順番としては、辛いことがあった場合、まずは、音を上げて、その後に断念するという流れとなります。

「音を上げる」を英語で表現すると?

「音を上げる」を英語で表現する場合、もし、気持ち的に諦めてしまったら、“give up”を使います。

また、あまりにキツくて音を上げて、弱音を吐いてしまう時は、“complain”と言います。

音を上げた時の具体的な状態によって、適切な英語に訳してみて下さい。

まとめ

「音を上げる」とは、苦しさに耐え切れず、弱気になってしまう時に使う慣用句ですが、本当にキツイ時に音を上げてしまうことは、ある意味、しょうがない部分もあるかと思います。

たって、にんげんだもの・・・

ただ、そこからもう一歩、踏ん張ってがんばれるかどうかで、成長できるか、或いは成功できるかが決まることが多いと思いますので、限界を超えて、がんばっていければいいですよね。