幕末の志士の一人でもある勝海舟は、「行いは我にあり、評価は他にあり、我関せず」という言葉を残しています。
これは、激動の時代で世の中を変える行動が必要な時にこそ、必要な態度だと言えますよね。
ただ、その一方で、現代の職場において「我関せず」の態度を取る人は、周りから良くない印象を持たれたりします・・・
そこで、今回は「我関せず」の意味、使い方、そして類語について解説をしていきます。
「我関せず」の意味
「我関せず」とは、自分には関係ないと、超然としている様子を意味します。
読み方は「われかんせず」です。
「我関せず」は、「我関せず焉(われかんせずえん)」という場合もありますが、意味はまったく同じです。
ここでの「焉」は、漢文で断定の意味を表しますが、一般的には、「我関せず」で使う時の方が圧倒的に多いですね。
「我関せず」という態度を取る人は、どんなことにも動じないとか、クールであるというように良い意味で捉えられる時もあります。
周りから、何を言われてようとも、我関せずを貫く人は、ある意味、格好よくも見えますよね。
しかし、その一方で、無関心である、当事者意識がない、傍観者であるというように悪い意味で使われることも多いです。
ここら辺の見方は、その時の状況によっても左右されるかと思いと言えます。
「我関せず」の例文・使い方
最近、あの二人の仲が、かなり険悪になっているけれども、女性同士だとやっぱりいろいろあるのかなあ。
次郎
太郎
女性の人間関係は、かなり複雑になってしまうことが多いから、我関せずで静観した方がいいと思うよ。
という感じで「我関せず」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 海外では、日本と違って、誰かが電話をしていても、周囲の人達は、我関せずということが多い。
- 周囲の人達は彼が、今度の選挙で立候補するか興味津々だったが、当の本人は我関せずだった。
- ここまで騒ぎが大きくなると、我関せずいう訳にはいかなくなった。
- 会社に嫌いな同僚がいても、我関せずの気持ちで対処してみてはどうだろうか?
- 息子は、家の中で家族が大騒ぎになっていても、我関せずで黙々とご飯を食べ続けていた。
- 普段は「我関せず」のクールな発言が多い彼だったが、さすがに、今回の件に関しては、ひどくショックを受けていたようだ。
- うちの上司は、どんな問題が起こっても、我関せずで、まったく責任を持とうとしない。
- これだけ、みんなが大変な状況なのに、我関せずの態度を取っているなんて許せない。
- いじめられている人を見ても、我関せずの態度を取ることは、罪深きことなのだと思う。
- 夫は、仕事にばかり夢中で、私や子供のことは、我関せずなのが残念だ。
「我関せず」の類語
「我関せず」には以下のような類語があります。
- 無関心:興味が乏しく、気にもかけないこと
- 他人事(ひとごと):自分には関係のない、他人のこと
- 対岸の火事:向こう岸の火事は、自分に災いをもたらす心配がないこと
- 見て見ぬふりをする:実際には目撃しているが見ていないふりをすること
- 触らぬ神に祟りなし:物事に関わらなければ余計な災いに巻き込まれる心配はないこと
「我関せず」の対義語
「我関せず」は自分とは関係がないという態度を取ることですから、その対義語としては
- お節介
- 関心を持つ
- 興味津々
などが該当すると言えるでしょう。