先日、小説を読んでいたら、「僕は、やっと手に入れたギターをためつすがめつ見てしまった。」という表現が出て来たのですね。
その時、「ためつすがめつ」ってどう区切って読んだら良いのか、少しこんがらがってしまいまして・・・
そこで、今回は、矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)の意味、例文、そして類語について解説をしていきます。
「矯めつ眇めつ」の読み方
「矯めつ眇めつ」の読み方は、「ためつすがめつ」です。
この表現は、平仮名で書かれることも多いですが、平仮名だと「ため・つすがめつ」なのか「ためつす・がめつ」なのか、どこで区切ったら良いか分からなくなる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、漢字の表現を確認すると「ためつ、すがめつ」と区切って読めば良いことが分かりますよね。
「矯めつ眇めつ」の意味
「矯めつ眇めつ」とは、あるものを、いろいろな角度から見ることを意味します。
人は、欲しいものを遂に手に入れた時、何か怪しいものを見た時、あるいは、たくさんの選択肢から何から選ぶ時、じっくりと見てしまうことがありますよね。
そういった時に、この慣用表現を使います。
「矯めつ眇めつ」の由来
「矯めつ眇めつ」を分解すると、「矯めつ」と「眇めつ」に分かれますが、これは、
- 矯む(たむ):目を据えて見る。じっとねらいをつけて見る。
- 眇む(すがむ):片目を細くして狙う。
という動詞の連用形に、完了の助動詞である「つ」が付いた形となっています。
つまり、目を据えてじっくり見たり、片目を細くして見たりと、四方八方からじっくり見ることが由来となって出来た慣用表現です。
NHKのアニメ「忍たま」にも「ためつすがめつ」さんという表現が出て来ます。
ただ、そういった名前のキャラクターが出て来るのではなく、「おしつ おされつ」という名前の人が、子供達から間違えて「ためつすがめつ」さんと間違えて呼ばれる際に使われています。
「矯めつ眇めつ」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「矯めつ眇めつ」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 集まった候補者の顔ぶれを矯めつ眇めつ確認してみたが、これといった有力な人はいなかった。
- 彼は、レストランのメニューを矯めつ眇めつ見た後、豚の生姜焼きを注文した。
- 僕は、物を買う時は、矯めつ眇めつしてから、購入すべきか判断するタイプだ。
- 美しい茶器を手に取り、矯めつ眇めつ、その奥ゆかしさを楽しんだ。
- 面接に来た人の顔が、履歴書の写真とあまりに違っていたので、思わず、矯めつ眇めつ見てしまった。
「矯めつ眇めつ」の類語
「矯めつ眇めつ」は、以下のような類義語に言い換えることが出来ます。
- ジロジロ見る
- やたらと見つめる
- マジマジと見つめる
- 穴があくほど見つめる
- 食い入るように見つめる
いずれも、普通に見る段階に比べて、より深く、よりじっくりと見ている表現となります。
まとめ
「矯めつ眇めつ」という慣用表現は、少し聞き慣れないかもしれませんが、いろいろな角度から見る時に使う表現です。
何かを検討したり、判断したりする際、矯めつ眇めつ見ることは、ある意味、必要なことだと思います。
なぜなら、そういったプロセスを経ないと、あまり深く理解できないまま、間違った判断をする可能性があるからです。
ただ、その度が過ぎると、いろいろと考え過ぎるようになってしまって、逆に混乱してしまうこともあります。
ですから「矯めつ眇めつ」見ることは、ちょうど良い加減で行うことが大切だと個人的には思います。