先日、推理小説を読んでいたら「彼は、事件を起こした翌日も何食わぬ顔で生活をしていた。」という表現があったんですね。
その時、「何食わぬ顔」という顔が気になりまして・・・
そこで、今回は「何食わぬ顔」の意味、例文、類語について解説をしていきます。
「何食わぬ顔」の意味
「何食わぬ顔」とは、何も知らない、自分には関係ないという顔つき、またはそのように振る舞う様子を意味します。
人は、何かすごいことや或いは悪いことをすると、気持ちの変化が顔に現れるものです。
しかし、そういった状況にも関わらず平然とした顔をしていることを指して使う表現です。
この表現には特に由来はありませんが、「何食わぬ顔」は、本当は何かを食べたのだけれども、何も食べていないようなフリをするという意味で使われ始めたようです。
「何食わぬ顔」の例文・使い方
三郎君は、昨日、夜中の3時まで友達と麻雀をしていたんだって。
次郎
太郎
その割には、何食わぬ顔で仕事をしているからすごいと思うよ。やっぱり若いっていいよね。
という感じで「何食わぬ顔」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 彼は、多額の借金を抱えているけれども、何食わぬ顔で過ごしていた。
- みんなが一生懸命、勉強をしている時期に、何食わぬ顔でテレビをしている息子を見て心配になった。
- 彼女は、何食わぬ顔で仕事をしていたが、内心は不安な気持ちでいっぱいだった。
- 社長のすごいところは、どんなに経営が厳しくても、何食わぬ顔で社員達に接することが出来ることが。
- 夫は、会社の女性と夜遅くまで仕事をした後、何食わぬ顔で帰宅した。
- 彼女は、100kgのバーベルを何食わぬ顔で持ち上げた。
- アンパンマンが困った子供達に自分の顔を食べさせた後、ジャムおじさんは、何食わぬ顔でアンパンマンの新しい顔を作って上げた。
「何食わぬ顔」の類語
「何食わぬ顔」には、以下のような類語・同義語があります。
- 素知らぬ顔:知っていながら、知らないふりををする顔つき
- 知らん顔:知っていても、そんな事は知らないという顔つき
- 他人事のような顔:自分には無関係の人についてであるかのような顔
- すました顔:よそ行きの、つんと取り澄ますような表情や態度
「何食わぬ顔」には、良いことにも悪いことにも使えますが、類語をチェックしてみると、どちらかといえば、無関心という悪いニュアンスで使われる傾向があります。
まとめ
何食わぬ顔は、良いことをした場合でも、悪いことをした場合でも、顔の表情が変わらない人に対して使う慣用句です。
ただ、一般的には、犯罪、スキャンダル、浮気など、悪いことをした後に、平然としている人に対して、より多く使う傾向があります。
しかし、出来ることなら、良いことをした後に、浮かれぬ顔をせず、何食わぬ顔で周りの人達に接することが出来るクールな人になりたいものですよね。