戦略と戦術の違いはこう!ビジネス・軍事作戦・スポーツでの具体例も

こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

私が働いている会社で、別の社員の人が、かなり高級ブランドの服を仕入れた時がありました。

すると、社長が「あなたは、うちの会社はお手頃価格の商品を販売していく戦略だから・・・。自分の好みで戦術を決めたらダメだよ。」と指摘したんですね。

実際、戦略の戦術の違いで、私自身も分かっているようで、あまり分かっていないのかなあと思ったので・・・

今回は、戦略と戦術の違いを具体例を挙げながら解説していきます。

戦略と戦術の違い

戦略と戦術は、元々、軍事作戦において使われ始め、そこから、ビジネスやスポーツなど様々なジャンルにおいても使われるようになった言葉です。

戦略とは、中長期的、大局的な目標です。

それに対して、戦術は、戦略を実行するための、実践的な計画や手段となります。

英語で例えるならば、戦略はWhat(何を行うか)、戦術はHow(どのように実行するか)です。

また、戦略は、大きく変わりませんが、戦術は一つの戦略に対して、様々な種類があり、また、その時の状況に応じて、変化していくという違いがありますよね。

戦略と戦術の具体例

では、戦略と戦術はどのように使われるのか具体例を挙げながら説明していくので、参考にして下さい!

ビジネスにおける戦略と戦術の違い

まず、ビジネスにおいては、どのような戦略を立てかが非常に大切となってきます。

例えば、販売業を行う会社の場合、

  • 付加価値を高めて、富裕層に対して利益率の高い高額商品を販売していく。
  • コストを下げることによってお手頃価格を実現し、販売量を増やすことによって利益を拡大していく。

というようにどのような戦略で行くのかをまず決める必要があります。

そして、コストを下げる戦略で行くのであれば、

  • 中国やベトナムなど海外の安い仕入れ先を探す
  • 資金を調達して大量注文をして仕入れ値を下げる
  • 配送業者に対して、送料の交渉を行う
  • 余分なサービスは省き、その分、コスト削減に努める

などの戦術を立てていくようになるワケです。

軍事作戦での戦略と戦術

次に、軍事作戦での戦略と戦術の違いを説明するために、朝鮮戦争を例に挙げてみましょう。

ちなみに、軍事作戦では、戦略と戦術だけでなく作戦や後方支援も重要になって来ますので、その関係も含めてお伝えしていきます。

朝鮮戦争では、当初、北朝鮮軍が優勢で、国連軍は釜山まで後退させられた時期がありました。

その中で、国連軍は、ソウル奪還という大きな戦略を立て、その戦略を実現するため、ダグラス・マッカーサーは仁川上陸作戦を発案しました。

つまり、仁川を確保して、そこからソウルを奪還することによって、朝鮮半島の南部に侵攻していた北朝鮮軍の補給路を断ち、一気に戦況を変えようとしたんですね。

そして、ソウル奪還という戦略を達成するため、仁川上陸作戦を実行する上で、

  • 諜報部隊による情報収集
  • 駆逐艦の確保
  • 部隊・兵士の配置

などの戦術を立てていきます。

もちろん、そこでは武器や食料を補給するための後方支援部隊も必要となります。

このような綿密な計画を立てた後、1950年9月15日に仁川上陸作戦が敢行され、同年9月28日にはソウルの奪還に成功したのです。

スポーツでの戦略と戦術の違い

スポーツでも戦略と戦術という言葉を聞く人も多いのではないでしょうか?

例えば、野球で最終的に日本一になろうという目標を設定した場合、どのようなチーム作りをして、チームを強化していくかという戦略を立てます。

そこでペナントレースで試合に勝つための作戦を立てる訳ですが、その中で、打順の編成やピッチャー交代のタイミング、盗塁やスクイズを行っていくかどうかなどの戦術をとっていくのです。

戦略なき戦術は滅びる!?

ビジネスの現場では、戦略を見ずに、戦術から初めてしまうというケースは多いと言われています。

しかし、戦略が定まらないまま、戦術をどんどん行ってしまうと、方向性が定まらないで、作業が非効率的になるだけでなく、会社が滅ぶ結果になりかねません

もちろん、戦略の部分は、会社のトップである経営者が決める分野ではあります。

ただ、その戦略を行うためには、末端の社員に至るまで、戦略をよく理解しながら、戦術としての業務を行う必要があるのです