おざなりとなおざりの違い・語源・使い方!どっちがいい加減?


こんにちは!言葉力編集長のケンです。

最近、私の会社は繁忙期を迎えるようになり、先日、社長から「どんなに仕事が忙しくてもおざなりにしてはいけないよ。」と言われました。

しかし、別の時には「どんなに仕事が忙しくてもなおざりにしてはいけないよ。」

正直、おざなりとなおざりという言葉を似ていて、頭がこんがらがってしまいました。

ここでは、おざなりとなおざりの違いを、それぞれの言葉の意味や語源、そして例外を紹介しながら解説していきます。

おざなりとは?

おざなりの意味と語源

おざなりは、物事をいい加減にするという意味です。

おざなりは、漢字では、御座形と書き、”御”は接頭語、”座”は座敷、”形”は形状を表します。

江戸時代に、座敷、つまり宴会の席で、その場だけを取り繕うような行動をすることを、ざなりと呼んでいました。

そこに敬語表現の”お”がついて、おざなりという言葉が生まれました。

(ただし、ここでの”お”は皮肉を込めた意味での”お”となります)

ちなみに、おざなりは方言ではないかという人もいますが、方言ではないようです。

おざなりの使い方・例文

お客さんからの問い合わせが多すぎて、このお客さんへの対応がおざなりになっちゃったんだよね。

次郎

太郎

そのお客さんには、もう一回、連絡して丁寧に対応をしておいた方がいいよ。
  • 役所の仕事は本当におざなりだと思う。
  • 簡単なアルバイトだからだといっておざなりにやってはいけない。
  • あまりに仕事が立て込んでしまったので、おざなりに仕事をしてミスが増えてしまった。
  • そのお客さんは、電話対応をしたスタッフのおざなりな対応に激怒した。

なおざりとは?

なおざりの意味と語源

なおざりとは、いい加減で何もしないという意味です。

なおざりは、漢字では、等閑とも書きますが、語源的には、なほ(直・猶)+さり(去り)という説もあります。

(なおざりは、平安時代から使われている言葉であるため、語源にも諸説があるようです。)

“なほ”はそのままにするという意味があり、”さり”は放っておくとい意味があるので、なおざりは、そのままにして放っておくという意味となります。

なおざりの使い方・例文

お客さんからの問い合わせが多すぎて、このお客さんへの対応がなおざりになっちゃったんだよね。

次郎

太郎

そのお客さんには、早めに連絡しておいた方がいいよ。
  • 今の政権は国民の意見をなおざりにしているように感じる。
  • 多忙な日々が続く中で、優先度の低い仕事をなおざりにしてしまった。
  • 仕事が忙しい中で、親として子育てをなおざりにしたことを深く反省している
  • 彼のミスは会社の業績に大きな影響を与えたので、なおざりには出来ない

おざなりとなおざりの違い

おざなりとなおざりは、“いい加減”という意味では、共通しています

ただ、おざなりは、やり方がいい加減という意味であるのに対して、なおざりは、やりもしないほどいい加減という意味で大きな違いがあります。

どちらの方がいい加減?

例えば、ビジネスのシーンで見てみると、おざなりとなおざりは以下のように使い分ける時があります。

  • 仕事をおざなりにしてしまった。
  • 仕事をなおざりにしてしまった。

おざなりの場合は適当だけれど、一応、仕事はやったということになります。

しかし、なおざりの場合は、仕事をやっていないことを意味します。

ですから、おざなりよりもなおざりの方がよりいい加減だということが出来るのです。

仕事をおざなりにするのは良くないですが、最悪でもなおざりにしないように気を付けましょう!