先日、ドラマの中で「あいつは、胸に一物があるな。」というセリフが出で来たんですね。
その時、「胸に一物」って具体的にはどんなことだろうかと思いまして・・・
そこで、今回は、「胸に一物」の意味、例文、類語、そして英語での表現について解説をしていきます。
「胸に一物」の意味
「胸に一物」とは、口には出さないけれども、心の中にたくらみを抱いていることを意味します。
読み方は、「むねにいちもつ」です。
「一物」には、心にうちに秘めたたくらみやわかだかまりという意味があります。
この慣用句は、表情は、何もないような顔をしているけれども、心の中では、相手に対して敵意を抱いていたり、何か悪だくみをしている時などに使います。
また、心に何かわだかまりがあり、納得が出来ないような時にも使うことが出来ます。
ちなみに「胸に一物」には、
- 胸に一物 手に荷物
- 胸に一物 背に荷物
という感じで使われたりします。
ただ、これは、「手に荷物」や「背に荷物」に深い意味がある訳ではなく、「一物」に対して「荷物(二物)」と引っ掛けて語呂合わせをしているだけに過ぎません。
ですから、どちらも、「胸に一物」と同じ意味となります。
「胸に一物」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「胸に一物」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- あの一件があってから、彼は上司に対して、胸に一物を抱くようになった。
- お世辞ばかりを言っている人は、胸に一物があるものだ。
- 政治の世界には、胸に一物ある人がたくさんいるのではないだろうか。
「胸に一物」と「腹に一物」の違い
「胸に一物」の類義語としては、「腹に一物」という慣用句があります。
「胸に一物」も「腹に一物」も同じような意味で使われることが多いです。
ただ、「腹に一物」の方が、より悪いことを考えているようなニュアンスがあります。
例えば「腹黒い」とは言いますが、「胸黒い」とは言わないですよね。
それに対して「胸に一物」は、わだかまりがあって、納得が出来ない時にも使ったりしますので、その場合は、「腹に一物」とは少し違った意味合いになります。
「胸に一物」を英語で言うと?
「胸に一物」という言葉自体に該当する英語はありませんが、文章の中で使うと以下のように表現が出来たりします。
- She has some secret intention.(彼女は胸に一物ある)
- The politician has a deep design in his mind.(彼は胸に一物ある)
- I say little but I think more.(口にはあまり出さないが、胸の中には秘めた考えがある)
まとめ
「胸に一物」は、口には出さないけれども、心の中にたくらみやわだかまりがあることを意味する慣用句です。
もちろん、思っていることを正直に表現することが出来るのであれば、それに越したことはありませんよね。
しかし、世の中には、心で思っていることをそのまま表現すると、不利な立場に追い込まれてしまう時も多いので、結果的に本音を隠してしまう人もかなりいらっしゃいます。
ですから、そういった人を見かけたりした時は、「胸に一物」という慣用句を使ってみて下さい。