先日、友達から「この漫画は、シュールで面白いよ。」と言われました。
その時、シュールと聞いて、何となく分かったような、分かっていないような不思議な気持ちになりまして・・・
実際、シュールの意味に関しては間違った解釈をしている人が多いと指摘する人も多いんですね。
そこで、ここでは、シュールの語源、使い方、例文、そして反対語も含めて解説をしていきます。
シュールってどういう意味?
シュールには、「非現実的な」、「現実離れした」、「超現実的な」、「不条理な」、「奇抜な」、「難解な様子」、「理論・理屈では説明が難しい」、「摩訶不思議な」、という意味があります。
簡単に言ってしまうと、普段、日常では見かけないものと表現することも出来ますね。
シュールの語源
シュールは、元々、1919年からフランスで始まったシュルレアリスムという文学・芸術運動が語源だと言われています。
シュルレアリスムの代表的な人物と言えば、画家のサルバドール・ダリが有名ですよね。
シュールは、シュルレアリスムの略語です。
シュルレアリスムは、理性を中心として近世の考え方を否定して、精神分析学の影響を受けながら、無意識の世界を追求する中で、「超現実的」という新しいリアリティを生み出しました。
ですから、シュールは、超現実という、現実世界の法則や決まりごとを超越した、過剰なほどの現実という意味なのです。
シュールの誤用とは?間違いなのはどっち?
ただ、現代の日本社会においては、シュールは、「非現実的な」、「現実離れした」という意味で、使われることが多いです。
「超現実的」と「非現実的」の意味は、似ているようで、実は反対の意味を持つ言葉です。
なぜなら、「超現実的」は現実であるけれども、「非現実的」は現実を否定しているからです。
そのため、シュールの意味を調べてみると2つの解釈があることが分かって来ます。
- シュールは、元々、超現実的という意味なので、非現実的というのは間違いである
- シュールは、「非現実的」だと意味で使われていて、シュルレアリスムとは違う概念である
ただ、歴史的な流れから考えると、シュールは、元々は超現実的という意味から始まったけれども、今は非現実的という意味で使われているので、そちらの意味でも十分通用するということになります。
いずれによせ、「難解な様子」、「理論・理屈では説明が難しい」、「摩訶不思議な」という意味合いは、超現実的、非現実的、両方に含まれる意味なので、境目が曖昧な部分もあります。
シュールの使い方
では、実際にシュールとは、どういった使い方がされているのかご紹介していきます。
シュールなお笑い
お笑いの世界では、シュールという言葉がよく使われています。
シュールと言われている芸人さんを見ていると、いわゆるボケとツッコミで構成されるお笑いの基本的なパターンを超越して、独自の世界観を持っている方が多いです。
シュールな漫画
シュールな漫画とは、面白くて笑えたりするけれども、どこかに不思議な描写がある漫画を意味します。
登場人物が、不可思議な行動をするなど、普通の漫画とは、明らかに違う印象を受ける作品が多いですよね。
シュールな顔
シュールな顔とは、独特な顔、個性的な顔のことを指します。
決して、悪口ではないのですが、かといって、良い意味という訳でもありません。
ですから、「シュールな顔だね」と言われた人は、複雑な気持ちになる場合が多いです。
シュールの例文
その他のシュールの例文をお伝えすると、以下のような感じです。
- シュール過ぎる4コマ漫画を見つけた。
- このアプリは、シュールで面白いから、是非、使ってみてよ。
- このアニメは、シュール過ぎて、ちょっと怖いぐらいだ。
- この芸能人は、SNSでいつもシュールなつぶやきをするので、人気がある。
シュールの類語
シュールには以下のような類語があります。
- 超現実的な
- 非日常的な
- 不条理な
- 奇怪な
- 難解な
実際、シュールと言われても、はっきり理解してもらえない時が多いので、そういった時は、日本語の類語に言い換えて上げた方がいいかもしれませんね。
シュールの反対語
シュールは、通常の現実とは、かけ離れた意味合いを持つので、その反対語としては、以下のような表現が該当します。
- 平凡な
- ありきたりな
- 世間並
- 平均的の
- 何の変哲もない
まとめ
シュールは、
- シュルレアリスムの略語として生まれ、超現実的という意味を持つ
- 現在の日本では、現実的という意味を持つ
という感じで、大きく分けて2パターンの意味があります。
ですから、シュールを使う際は、そういった歴史的な変遷も踏まえた上で、理解して下さい。