ノーサイドの意味・使い方・類語!ノーサイド精神があるのは日本だけ?


先日、ラグビーの試合をテレビで観ていたのですが、試合終了となってアナウンサーが「ここでノーサイド」と言った時、横にいた友達が「ねえ、ノーサイドって実は日本だけでしか使われていないって知ってた?」と話していたんですね。

えっ、じゃあ、ノーサイドの精神は日本だけにしかないんでしょうか?

ということで、今回は、ノーサイドの意味、使い方、そして類語について解説をしていきます。

「ノーサイド」の意味

「ノーサイド」には大きく分けて2つの意味があります。

  1. ラグビーでの試合終了のこと
  2. 戦いや争い、或いは試合が終わった後、お互いの健闘をたたえ合ったり、和解をしたりすること

1番目は日本のラグビーの試合で使われる意味で、2番目は精神的な意味を表します。

「ノーサイド」は英語では、“no side”と表記しますが、試合が終わったら、勝った側も負けた側も関係ないという崇高な精神を表していると言われているのです。

「ノーサイド」での政治での意味は?

以前、ある政治家が、党内の代表選挙で勝利した後、「ノーサイドにしましょう」と発言して話題になった時がありました。

党内の代表選挙は、同じ党に所属する政治家達が、お互いに自分の意見を主張し合いますが、エスカレートすると相手を中傷する事態に発展してしまう時もあります

しかし、代表が決まった後は、「ノーサイド」で再びお互いに一致団結してがんばりましょうという意味になる訳ですね。

日本では「ノーサイド」、でも海外では「フルタイム」

ところで、ラグビーの試合終了のことを「ノーサイド(no side)」と言うのは、日本だけというのはご存知でしょうか?

海外では、「ノーサイド」ではなく「フルタイム(full time)」と呼ばれています。

では、「ノーサイド」は和製英語かというと、厳密にはそうではありません。

なぜなら、イングランドでは、昔は「ノーサイド(no side)」という言葉が使われていたからです。

「ノーサイド」が日本にだけ残った理由は?

では、なぜ、海外は「ノーサイド」から「フルタイム」を使うように変化し、日本では「ノーサイド」が使われ続けたのでしょうか?

その理由は、諸説がありますが、よく言われるのが「ノーサイドの精神は日本の“和”や“武士道”の精神に通じるものがあるから」ということです。

和の精神とは、文字通り、和解や協調の精神を表しますし、「武士道」の著者である新渡戸稲造博士は、武士道のことを「勇猛果敢なフェア・プレーの精神」だと表しています。

戦いの中でも礼節を重んじる日本の精神は、ラグビーのノーサイドと通じる世界が強かったと言えるのではないでしょうか。

「ノーサイド」の例文・使い方

昨日のラグビーの試合は、負けてしまって残念だったけど、試合後にお互いの健闘を称える両チームの選手たちの姿には、本当に感動したな。

次郎

太郎

あれこそ、ノーサイドの精神だよね。やっぱりスポーツマンシップはこうでなくっちゃ。

という感じで「ノーサイド」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • ラグビーの試合後は、選手だけでなく、両チームのファン達もジャージを交換するなど、ノーサイドの精神が発揮されていた。
  • 試合では激しく争ったが、試合が終わればノーサイドである。
  • スポーツとは違って、ビジネスの世界にはノーサイドなんてない。敗者には厳しい現実が待っているのだから。
  • お互いに激しく中傷誹謗を繰り返した政治家たちは、選挙が終わったからといって、ノーサイドという気持ちには到底なれなかった。

「ノーサイド」の類語

ノーサイドの類語には以下のような表現があります。

  • フルタイム
  • 試合終了
  • ゲーム終了
  • ゲームオーバー

基本的にノーサイドの類語は、試合が終わることを意味する言葉となります。

ただ、お互いの健闘を称え合うという精神的な意味が含まれているのは、ノーサイド独自のニュアンスだと言えますよね。

まとめ

元々、ノーサイドの精神は、ラグビーの本来の精神だと言えます。

ただ、海外では、ノーサードの代わりにフルタイムという言葉を使うことになり、もしかしたら、ノーサードの精神自体が薄れてしまったのかもしれません

しかし、日本では、ノーサードの精神が日本の伝統的な精神文化が見事に融合し、ノーサイドの精神が脈々と引き継がれて来ました。

そして、2019年のラグビーW杯では、日本発のノーサイド精神が世界中に感動を与えることによって、ノーサイドの精神は日本だけでなく再び世界へ広がるきっかけが生まれたのではないのかと思います

是非、これを機に、ノーサイドの精神が、ラグビーだけでなく、他の分野にもどんどん拡がってくれればいいですよね!