尻切れトンボの意味・語源・例文・類語!これって死後なの?

こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

先日、あるドラマが視聴率の伸び悩みで途中で打ち切りということになって、最終回も中途半端な終わり方になってしまったんですね。

そのことを友達と話していたら、「本当に尻切れトンボみたいな最後だったね。」と話していたんです。

その時、「尻切れトンボ」ってよくよく考えてみたら、ちょっと気持ち悪い表現だなあと思ったのですが、後でそれは誤解だと分かったりして・・・

ということで今回は「尻切れトンボ」の意味、語源、例文、そして類語について解説をしていきます。

「尻切れトンボ」の意味

「尻切れトンボ」の読み方は「しりきれとんぼ」です。

「尻切れトンボ」とは、物事が途中で止まって最後まで続かない状態を意味します

何事も最後はとっても重要ですが、何だか気持ち的にしっくり来ない中途半端な形で収束していくような感じです。

特に、アメリカのドラマとかでは、こういった不完全な結末を迎えることって多いですよね・・・

「尻切れトンボ」の語源

「尻切れトンボ」と聞くと、語源はやっぱり尻が切れたトンボから来ているのかなあと思ってしまいがちですが、実はそうではありません。

「尻切れトンボ」は草履から来ているんです。

元々、かかとの部分がなくて後ろの方が切れていたり、履き古して、かかとの部分が切れてしまったりしている草履のことを「尻切れ草履(しりきれぞうり)」と呼びます。

その一方で、鼻緒の先がとんぼの羽のような形に結んだ草履があり、それを「トンボ草履」と呼んでいます。

(こう呼ぶのは、方言でありません)

この「尻切れ草履」と「とんぼ草履」が合わさって、「尻切れトンボ」という言葉が生まれたのです。

「尻切れトンボ」の例文

あそこの会社の社長は、いつも言動が注目されて派手にやっているけれども、これといった業績ってなかなかないんだよね。

次郎

太郎

いろいろプロジェクトを立ち上げたけれども、どれも尻切れトンボて終わっているからね。ああいった社長には実務をしっかりこなせるブレインが必要なんだと思うな。

という感じで「尻切れトンボ」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • その社長は、釈明のための会見を開いたが肝心のところには言及せず、尻切れトンボみたいな内容となってしまった。
  • 前半は、あれだけ良い成績を残したのに、後半は完全に失速し、最後は尻切れトンボになってしまったのはなぜなんだろうか?
  • このドラマは、原作がまだ未完なので、最終回も尻切れトンボ感のある結末にならざるを得なかった。
  • せっかくここまでがんばって来たのに、ここで諦めてしまっては尻切れトンボみたいな結果に終わってしまうよ。
  • 彼女はダイエットを絶対成功させると宣言したが、途中で、甘い物の誘惑に負けてしまったので、減量作戦は尻切れトンボになってしまった。

「尻切れトンボ」の類語

「尻切れトンボ」の類語には次のようなものがあります。

「竜頭蛇尾」

「竜頭蛇尾」とは、最初は竜のように勢いが盛んだけれども、終わりになると蛇のように細くなってふるわないという意味です。

「尻切れトンボ」は最後だけの部分に言及していますが、「竜頭蛇尾」は最初と最後のギャップをより強調したことわざです。

その他の類義語

「尻切れトンボ」は以下のような類語に言い換えることも可能です。

  • 中途半端
  • 不完全
  • 未完成
  • 腰砕け
  • 道半ば
  • 不備がある
  • 生半可

「尻切れトンボ」って死語なの?

最近の若い人に「尻切れトンボ」という言葉を使うと「はぁ?」という感じになる人もいて、この言葉は死語じゃないかと思う方もいらっしゃいます。

しかし、この言葉は、今でも中途半端な形で終わってしまったドラマを呼ぶ時とかによく使われるので、決して死語ではありません

ですから、若い人から、怪訝な顔をされた時に、そこで怯んで話が尻切れトンボにならないように、堂々と使って下さいね。