私自身、実は、目先の結果に一喜一憂しやすいタイプでして、仕事でも余計なストレスを抱えやすい時がよくあるんですね。
でも、そんな時に、私の気持ちをふと楽にしてくれる名言があります。
それが「人事を尽くして天命を待つ」ということわざです。
今回は、このことわざの意味、由来、例文、そして類義語についてお伝えしていきます。
目次
「人事を尽くして天命を待つ」の意味
「人事を尽くして天命を待つ」とは、人として出来ることをすべてやり尽くして、あとは焦らずに、結果を天の意志に任せるという意味です。
四文字熟語では人事天命(じんじてんめい)と書きますが、意味は同じです。
人は、結果を自分の力で何とかしようと思って、焦ったり、落ち込んでしまったり、或いは、大きな不安を感じてしまったりすることがよくありますよね。
しかし、結果というのは、ある意味、自分の力ではどうしようも出来ないものです。
特に、受験、ビジネス、そしてスポーツなどの世界では、そういった傾向が強いと思います。
なので、結果ばかりを見ないで、今、自分がやるべきことに全力を集中するべきだという意味で、このことわざはよく使われます。
「人事を尽くして天命を待つ」の由来
では、「人事を尽くして天命を待つ」という故事成語を最初に言った人は誰なのでしょうか?
このことわざは、中国の儒学者である胡寅(こいん)が書いた読史管見(とくしかんけん)という古典が出典であると言われています。
そこに、「人事を尽くして天命に聴(まか)す」という記述があります。
ここでの聴す(まかす)は、成り行きに任せるという意味です。
「人事を尽くして天命を待つ」とは表現が少し異なりますが、それでもこの故事成語を最初に言った人は胡寅(こいん)だと言えるのです。
「人事を尽くして天命を待つ」の例文
次郎
太郎
という感じで「人事を尽くして天命を待つ」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 受験生は、合格できるか考えると、夜も眠れなくなってしまうかもしれないが、人事を尽くし天命を待つ気持ちで、思いっ切りがんばって欲しい。
- 恋愛では相手の心をコントロールするなんて出来ないから、とにかく人事を尽くして天命を待つだけだ。
- 仕事では結果を出すことにこだわり過ぎるより、人事を尽くして天命を待つ姿勢が大切だ。
- 人事を尽くして天命を待つ気持ちを持っておけば、引き寄せの法則で、思わぬ運がやってくる時もある。
「人事を尽くして天命を待つ」の類義語
「人事を尽くして天命を待つ」の似た言葉として、以下のようなことわざがあります。
「天は自ら助くる者を助く」
「天は自ら助くる者を助く」とは、他力本願にならず、自ら道を切り開こうとする人を天は助けて幸福にしてくれるという意味です。
とにかく自分で努力をすることが大切という意味では、「人事を尽くして天命を待つ」と共通しています。
>>天は自ら助くる者を助くの意味・例文・類語!出典は聖書でない!?
「備えあれば憂いなし」
「備えあれば憂いなし」とは、普段から十分な準備をしておけば、いざという時でも何も心配することはないという意味です。
「人事を尽くして天命を待つ」も、普段から出来ることをすべてやっておけば、あとは余計な心配をせずに、結果を待つという点で似ています。
「果報は寝て待て」
「果報は寝て待て」とは、運はどうしようも出来ないので、焦らずに時機を待つのが良いという意味です。
結果を委ねるという点では、「人事を尽くして天命を待つ」と同じ意味ですが、努力をすべきだとは言わず、寝て待てという点が大きく違いますね。
「人事を尽くして天命を待つ」の続きにあるもの
「人事を尽くして天命を待つ」とは、出来るだけのことをやった後は、結果を天の意志に任せるという意味ですが、私は、その続きがあると思っています。
そこでポイントになるのが、「天命」という言葉です。
実は、「天命」には、天が人間に与えた使命という意味があります。
つまり、人事を尽くした後に当たられる結果は、良い結果であろうと、悪い結果であろうと、天がその人にとって与えた最善の結果だとも言えるのです。
ですから、結果を天に任せることで終わるだけでなく、その結果が天が自分に与えた使命だと思って、そこから何かを学び、次のステージへ進むことが大切だと思うのです。
仮に良い結果が出ても。そこで安心して足を止めるべきはありません。
逆に悪い結果が出たとしても、そこから何か、とっても大切なことを学べるかもしれませんし、その結果が、次の成功を掴むための大きなきっかけになるかもしれません。
なので、人事を尽くして天命を待った後は、その結果をしっかり受け止めて、さらにステップアップしていけるようがんばりましょう!