大目に見るの意味・例文・類語を解説!それってどんな目なの?


先日、ある結婚カウンセラーの方が「結婚前は、両目を開いて相手を観察し、結婚をしてからは片目をつぶって大目に見ることが大切だ。」と話していたんですね。

その時、「大目に見る」って、どんな目で見ることなんだろうといろいろ気になりまして・・・

そこで、今回は「大目に見る」の意味、語源、例文、類語、反対語、そして英語での表現について解説をしていきます。

「大目に見る」の意味

「大目に見る」とは、失敗や過失を咎めずに、寛大に扱うことを意味します。

間違って「多めに見る」と書いてしまう人もいますが、「多め」と書くのは間違いなので、ご注意下さい。

通常は、誰かが失敗したり、間違ったり、不正があったりすれば、それに対して、厳しく追及することがあってもおかしくありません。

しかし、そういった時にも、寛大な心で、許して上げたり、見て見ぬふりをして上げたりする時に使う慣用句です。

「大目に見る」の語源・由来

「大目に見る」の語源には大きく分けて3つの説があります。

大ざっぱに見る

「大目に見る」の「大目」は「大きな目」となります。

小さな事にこだわらないで、大きな視点で見るということで、「大目に見る」という慣用句が生まれたという説があります。

篩(ふるい)の目

「大目に見る」の「目」は、篩(ふるい)の目だという説もあります。

篩は、砂など細かいものを網目を通して落として、より分ける道具です。

その目が、大きければ篩を簡単に通過するということが語源となって「大目に見る」という慣用句が生まれたというのです。

年貢を納める時のエピソード

「大目」には、200匁(もんめ)、すなわち750グラムを1斤(きん)とする量り方という意味もあります。

通常の尺貫法だと、1斤は160匁(600g)なので、それより多めの量り方となります。

昔、年貢を納める際、大目(1斤=200匁)で計算するように言われていたのですが、不作であった時、実際は1斤を160匁で計算しても、それを大目(1斤=200匁)で計算して上げたというエピソードがあります。

それが、「大目に見る」の由来になったという説もあります。

「大目に見る」の例文・使い方

あんなに仕事が出来る人なのに、今回は、珍しく大失敗をしちゃったよね。何かあったのかな。

次郎

太郎

確かに、この失敗は、かなり痛いけれども、今まで会社の売り上げにかなり貢献してくれた人でもあるから、社長も、今回は大目に見ることにしたみたいだよ。

という感じで「大目に見る」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 部下の失敗に対して、上司が大目に見ることはありがたいことかもしれないが、時には厳しく叱ることも重要だ。
  • この人は、まだ若く、悪気があった訳でもなかったから、今回は大目に見て欲しい。
  • これだけ安い給料で働いているのだから、多少の失敗に対しては大目に見て上げる必要がある。
  • お客様に対して、あなたはプロの立場だから、「新人なので大目に見て」という態度は許されない。
  • 海外で事業を展開しようとする企業は、現地での多少の癒着や賄賂などに対して、大目に見る態度が必要なのかもしれない。
  • ビジネスの世界では、「大目に見てください」という甘えた態度を持っていたら、決して、大成できない。
  • 三年目の浮気だからといって大目に見ることは絶対に出来ない。
MEMO
「大目に見る」は、芥川龍之介の小説・羅生門にも出て来ますね。 羅生門の意味調べまとめ

「大目に見る」の類語

「大目に見る」は以下のような似た言い方があります。

  • 目をつぶる
  • 見逃す
  • 見過ごす
  • 見て見ぬふりをする
  • 黙認する
  • 見なかったことにする
  • 穏便に対処する

類義語の中には、見なかったことにするという表現もありますが、「大目に見る」場合は、見ることは見るけれども、寛大な目で見るというニュアンスで使われます。

「大目に見る」の対義語

その一方で「大目に見る」の反対語としては以下のような表現があります。

  • 重箱の隅をつつく
  • 目くじらを立てる
  • 粗探しをする
  • 揚げ足を取る
  • 難癖をつける
  • いちゃもんを付ける

「大目に見る」というのは、見てもらう方にとってはありがたいことですが、その反対語は、本当に嫌な行為ですよね。

「大目に見る」を英語では何と言う?

「大目に見る」は、英語だと以下のような表現が該当します。

  • go easy on~ (~に優しくする)
  • take easy on~(~に手心を加える)
  • give someone a break (誰かにチャンスを与える)

例文を挙げると以下のようになります。

  • Let’s go easy on her, because she is still a beginner. (彼女はまだ初心者だから、大目に見て上げましょう)
  • He is still a child, so take it easy on him. (彼はまだ子供だから、大目に見て上げて。)
  • She did not mean it. Give her a break.(彼女は悪気はなかったんだ。大目に見て上げてよ。)

まとめ

誰かから、大目に見てもらうことは、すごくありがたいことですし、普段から、周りの人達と、信頼関係を築いていたり、可愛がってもらったりしていれば、いざという時、大目に見てもらう確率は高まるかもしれません。

しかし、だからといって、何度も同じ失敗をすると大目に見てもらえる確率は、どんどん下がっていきます。

ですから、大目に見てもらった時ほど、改めて気を引き締めていくことが大切かもしれませんね。