角が立つ(かどがたつ)の意味や使い方を徹底解説!


先日、上司からある仕事を頼まれた同僚が「この仕事は出来れば、やりたくないんだけど、だからといって断ったら角が立つから悩むんだよね。」と言っていました。

その時、角が立たないようにするには、何かと気を遣うものだなといろいろ感じまして・・・

そこで、今回は、「角が立つ」の意味、使い方、類義、反対語、そして英語での表現についてお伝えしてきます。

「角が立つ」の意味

「角が立つ」とは、人との関係が穏やかでなくなること、事が荒立つことを意味します。

角が張ってとがった状態になると穏やかではなくなりますが、そういった状態が由来となって出来た慣用句です。

特に、人に何かを伝える際、相手の立場を考慮して、発言したり、行動したりしないと、このような状態になる確率は高くなる傾向がありますね。

また、「角が立つ」の読み方は「かどがたつ」ですが、時々「つのがたつ」と読んでしまう方もいらっしゃるので、ご注意下さい。

「角が立つ」の例文・使い方

三郎君は、いつも正論を言っているんだけど、なぜか他の人達から好かれていないんだよね。

次郎

太郎

言っていることは正しいけど、角が立つ言い方をしているからね。もう少し、言い方を変えてみる必要があるんじゃいないかな。

という感じで「角が立つ」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 内定を受けた会社に対して断りを入れる場合は、角が立つことがないよう慎重に伝えなければならない。
  • 口で言ったら角が立つことも、曲にすると、すんなり伝わることが多いものである。
  • ママ友のミーティングには行きたくなかったが、行かなかったら、角が立つので、しぶしぶ参加することにした。
  • 社長は、社員を叱る時、角が立つ言い方をするので、人望がなかった。
  • ここで社名を挙げると、角が立つので、敢えて言わないようにしておくよ。
  • 気になっている男性にいきなり「独身ですか?」と聞いたら、角が立つから、もっと遠回しな感じで聞くのが良い。
  • 本当のことを話したら角が立つと思って、嘘をついたら、状況が益々複雑になってしまった。
  • メールで「~してください」と書くと角が立つので「~していただけますか?」と書いた方が良いと思う。

「角が立つ」の類語

「角が立つ」には以下のような類義語があります。

  • 波風が立つ:それまで平穏だったところにもめ事が起きる
  • 波が立つ:平穏でなくなる
  • 事を荒立てる
  • 問題になる
  • 問題が波及する
  • 揉め事になる
  • トラブルになる

「角が立つ」の反対語

「角が立つ」の対義語としては、以下のような表現があります。

  • 当たり障りのない
  • 角が立たない
  • 波風立たない
  • 手堅い
  • 事を荒立てない
  • 堅実な
  • 無難な
  • リスクの少ない
  • 安全な
  • 穏便な

「角が立つ」の反対の方法は性格的に嫌がる人もいますが、何も問題が起こらないようにするには、有効な方法だと言えますよね。

「角が立つ」を英語で表現すると?

「角が立つ」を英語で言うと、“create bitter feelings” と訳せます。

“bitter feelings” で、反感とか恨みという意味ですね。

そういった不愉快な気分を生むという表現なので、「角が立つ」と同じニュアンスが伝わるかと思います。

智に働けば角が立つ!?

夏目漱石の小説である「草枕」の冒頭には、

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。

という有名な文章があります。

「智に働けば角が立つ」とは、理性のみで動こうとすると、人間関係がギスギスしてしまうことを意味している訳ですが、仕事をしていると、そのことを実感するシーンが多いと感じる方も多いのではないでしょうか?

しかし、だからといって、周りに合わせようとすると、心が苦しくなってくるのも事実かと思います。

その一方で、「物も言いようで角が立つ」ということわざもあります。

これは、それほどでもないことでも、話し方によっては相手の感情を傷つけることがあるという意味です。

しかし、逆の見方をすれば、正しいことを主張する場合も、うまい話し方をすれば、角が立たないようにすることが可能だとも言えますよね。

ビジネスの世界では、そういった表現力を身に付けることが大切なのではないかと思います。