先日、友達が「うちの社長は、社員を家族のように思い、とことん世話を焼くタイプだから社員からの人望は厚いんだ。」と話していました。
その時、素晴らしい社長だなあと思う一方で、「世話を焼く」は何で「焼く」という表現を使うのか気になったんですね。
そこで、ここでは、「世話を焼く」の意味、語源、例文、そして類語について解説をしていきます。
「世話を焼く」の意味
「世話を焼く」には、他人の世話をする、進んで他人の面倒を見る、という意味があります。
世話を焼く行為は、基本的には相手に喜ばれますし、
- 気遣いのある人
- 人情味のある人
- 利他的な人
- リーダーシップのある人
- 困っている人を放っておけない人
と見なされることが多いです。
ただ、「世話を焼く」行為が行き過ぎたり、相手へ配慮が欠けていたりすると、
- 自己満足したいだけ
- おせっかい
- おしつけがましい
- うざい
とネガティブに捉えられてしまう時もあります。
「世話を焼く」の語源・成り立ち
「世話を焼く」と聞いて、なぜ「焼く」なのか、不思議に思う方がいらっしゃるかもしれません。
ここでの「焼く」は、「燃やす」心を労する、あれこれを気を遣ってする、ことを意味します。
他にも「手を焼く」、「おせっかいを焼く」という慣用句がありますが、ここでも同じような意味で「焼く」が使われています。
ですから、あれこれ気を遣って世話をすることを「世話を焼く」という訳ですね。
「世話を妬く」と間違えないようにご注意
「世話を焼く」と聞くと「世話を妬く」ではないかと考える方もいらっしゃいます。
しかし、正しくは「世話を焼く」です。
「妬く」は、嫉妬する、ねたむ、という意味なので、「世話を妬く」は、おかしな表現になってしまいますよね。
「世話を焼く」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「世話を焼く」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 男性は、好きな女性に対して世話を焼く傾向がある。
- 姑は、楽しみもしないのに世話を焼くことが多いので、少し困っている。
- 母性本能が強い人は、何かと彼氏の世話を焼いてしまうところがある。
- 母親が子供の世話を焼くのは、当然かもしれないが、あまりやり過ぎると、子供の依存心が強くなって逆効果になる時もある。
- ドラえもんは、いつものび太の世話を焼いている。
「世話を焼く」の類語
「世話を焼く」を別の言い方にしようとすると以下のような表現が該当します。
- 世話をする
- 面倒を見る
- ケアする
- 構う
- 手助けをする
- 尽くす
- サポートする
実際、「世話を焼く」は、会社で部下が上司に対して使うと、上から目線的な表現になってしまうため、別の言い方に変えた方が良いです。
そういった時は、「手助けする」や「サポートする」などの表現に言い換えたりすると良いでしょう。