言質を取るの意味・例文・類語!読み方を間違えている人は多い!?

こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

先日、ある有名な政治家が失言をきっかけに大臣を辞任してしまったのですが、ニュースの解説者が「講演会で発言した内容から、言質(げんち)を取られてしまいましたね」と話していました。

政治家の人は、ちょっと言い方を間違えるとマスコミから総攻撃されるから大変だなあと少し同情しつつも、「言質を取る」という言葉がすごく気になってしまいました。

なぜなら、私は、「言質」の読み方は「げんしつ」だと思っていたからです・・・

そこで、今回は、「言質を取る」の意味、例文、類語などについて解説をしていきます。

「言質を取る」の意味

「言質を取る」とは、交渉事などで、後から証拠になるような言葉を相手から引き出すという意味です。

言質の“言”は、言葉を意味し、“質”は人質や抵当を意味します。

つまり、「言質を取る」とは、言葉の人質を取るようなイメージですね。

言質はメールで取る場合も

「言質を取る」場合は、必ずしも口頭で行う必要はありません。

メールで言質を取る場合もあります。

むしろ口頭だけだと、後で言った言わないの押し問答になってしまうリスクがあります

ですから、メールなどで、きちんと書面に残しておいた方が、特にビジネスの世界では有効だと思いますよ。

「言質を取る」の読み方

「言質を取る」の読み方は、「げんちをとる」となりますが、以前の私のように「げんしつをとる」と間違って読んでしまう方はかなり多いです。

読み方を間違える人があまりに多いため、辞書によっては、「言質(げんしつ)」と書いて、「言質(げんち)」の誤読から生まれた慣用読み(正式な読み方以外によく使われる読み方)」という説明があるくらいです。

ただ、ここでは正しい読み方をキチンと理解しておくようにしましょう。

「言質を取る」の使い方・例文

部長から、今週の木曜日に会議があるとうことで資料の準備を頼まれているんだけど、いつもパターンでいくと会議は金曜日にやるはずなんだよね。

次郎

太郎

部長が勘違いしている可能性もあるから、ちゃんと言質を取っておいた方がいいよ。

という感じで「言質を取る」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • そのジャーナリストは、相手の政治家から言質を取るために、執拗に質問を繰り返した。
  • 主人公の刑事は、裁判で証人に立った人物が買収されて虚偽の証言を行ったという言質を取ることに成功した。
  • 芸能人は不用意な発言で言質を取られないよう十分気を付ける必要がある。
  • アメリカでは交通事故が起こった時、一言でも謝ると言質を取られて、訴訟に負けるリスクが発生するので、決して謝らない方が良い。
  • 「暇だ」とぼやいていたら、母から言質を取られて、家の掃除を手伝わされる羽目になった。
  • 子供に「テストで100点取ったらパソコンを買って上げる」と言ったら、言質を取られて、後日、見事、100点を取った子供にパソコンを買って上げることになってしまった。

「言質を取る」の類語

「言質を取る」の類語には以下のようなものがあります。

  • 発言を引き出す
  • 証拠を引き出す
  • 約束させる
  • 確約させる
  • 誓約させる

相手から引き出すものは表現によって違いますが、相手から自分に有利なものを得るという点では共通していますね。

「言質を取る」の敬語は?

「言質を取る」の敬語に関しては、“取る”の部分を敬語表現にすれば基本的に大丈夫です。

  • 尊敬語:言質を取られる、言質をお取りになる
  • 謙譲語:言質を取らせて頂く
  • 丁寧語:言質を取ります

具体的には上記のような感じになります。

ただ、「言質を取る」という言葉には、相手を追い詰めるようなニュアンスがあるので、敬語を使う時には不自然な表現にならないよう注意して下さい。

まとめ

「言質を取る」という表現は、政治やビジネスの世界では使われることが多い言葉です。

ただ、読み方を間違えている人は意外に多いので、誤った使い方をしないように気を付ける必要はあるかと思います。

逆に、正しい読み方や使い方を覚えておけば、出来る人だと思われるかもしれませんね。

あと、常に言質を取る人は、相手にプレッシャーを与えることにもなり兼ねません

ですから、さりげなく言質を取れるようなコミュニケーション能力を持てるようがんばってみて下さい!