こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
この間、ついつい1985年に阪神対巨人戦の伝説のバックスクリーン3連発の動画を見ていたのですが、そこでのバース、掛布、岡田の3人を「最強のクリーンナップだ!」と言う人がいたんですね。
ただ、クリーンナップって言葉をよく聞く割には、実際、どんな意味なのか、知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで、ここでは、クリーンナップの野球での意味や、ネイルやアニメーションの業界での意味について解説をしていきます。
クリーンナップの英語での意味は?
クリーンナップは、英語で“Clean-up”と書きます。
分けて読むと“Clean(クリーン)”と“up(アップ)”ですが、続けて読むと、nとuが繋がり、クリーンナップと発音します。
ちなみに英語のクリーンナップは、
- “Cleanup”:引っ付けると名詞となり、掃除、浄化、一掃という意味
- “Clean up”:離すと動詞となり、掃除する、片付ける、浄化する、部屋をきれいにする、身なりを整えるという意味
になります。
日本で、クリーンナップという言葉が使われる場合、こういった元々の英語の意味がベースになることを覚えておいて下さいね。
野球でのクリーンナップとは?
クリーンナップという言葉を一番よく聞くのは、やはり野球ではないでしょうか?
野球でのクリーンナップの意味は、塁上のランナーを一掃する役割を持つ打順の人達です。
野球では、1番バッターが出塁し、2番バッターがスコアリングポジション(2塁、3塁)へ送り、そして3番、4番、5番でランナーを返すというのが、基本的な攻撃パターンです。
ですから、一般的には3番、4番、5番がクリーンナップと呼ばれます。
また、昔はこの3人のバッターを「クリーンナップトリオ」と呼んでいた時期もありましが、今は省略して「クリーンナップ」と呼ばれるのが一般的です。
ただ、野球の本場、アメリカのメジャーリーグでは、4番バッターだけがクリーンナップと呼ばれています。
さらに、英語では、“cleanup hitter”と、hitterを付けて使います。
そうしないと、単純に掃除だと勘違いされてしまうからです。
ここら辺が、同じクリーンナップでも日本語と英語での微妙な違いですよね。
ネイルでのクリーンナップとは?
ネイルの世界でも、クリーンナップという言葉は業界用語として使われます。
ネイルをする際のクリーンナップとは、キューティクル(爪の根元にある薄い皮のこと)周りを整えてキレイにするという意味です。
クリーンナップをすることで、ネイルポリッシュ(マニキュア液)をムラなくきれいに塗ることが出来ると言われています。
アニメでのクリーンナップとは?
クリーンナップという言葉が使われるもう一つの業界がアニメです。
アニメでのクリーンナップとは、原画などのラフな描線(びょうせん)から、新たな用紙へ描き起こし清書する作業です。
ただ、実際の現場では、もっと短縮されて「クリンナップ」と呼ばれるのが一般的です。
クリーンアップとして使われるケース
野球やネイルの世界では、クリーンナップと言われますが、クリーンアップという言葉で使われるケースもあります。
その代表例が、パソコンのクリーンアップです。
いわゆる、パソコンの中の不要なファイルを削除する作業のことを意味しますよね。
また、掃除を表現する場合もクリーンナップではなく、クリーンアップと言うことの方が多いです。
もちろん、意味は同じなのですが、日本語だと、しっかり使い分けているので、ご注意下さい。
まとめ
クリーンナップは和製英語ではないかと思う人もいるかもしれませんが、英語でもクリーンナップという言葉は普通に使われています。
ただ、野球の場合は、日本では3,4,5番バッターであるのに対し、アメリカでは4番バッターを意味したり、日本では、使うシーンによって、クリーンナップとクリーンアップをしっかり区別したりと、日本ならでは使い方もあります。
それだけ、クリーンナップという言葉が日本社会に浸透している証拠なのかもしれませんね。