こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
最近の天気予報を見ていると、「今回は台風は前代未聞の規模です」とか「ここまでの豪雨は前代未聞です」という表現をよく聞きます。
異常気象へ年々エスカレートしていきませんし、これから「前代未聞」という言葉が使われる機会は増えていくのかもしれませんね。
ということで今回は、「前代未聞」の意味、例文、そして類語について解説をしていきます。
「前代未聞」の意味
前代未聞とは、今までに一度も聞いたことがない珍しい、あるいは大変なことという意味です。
「前代未聞」の由来は、「前の時代にさかのぼっても聞いたことがない」ということから来ています。
また「前代未聞」の呼び方は「ぜんだいみもん」となりますが、「ぜんだいみぶん」とは読まないのでご注意下さい。
「前代未聞」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「前代未聞」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 前代未聞の事件の犯人が遂に捕まり、社会は騒然となった。
- まだデビューして間もない少年が世界中で公開される映画の主演の主演を務めるなんて前代未聞だ。
- 10連休なんて前代未聞だったから、どう過ごせば良いか分からなかった。
- こんな時期に桜が咲くなんて前代未聞の珍事だ。
- 前代未聞の最終回に視聴者の反応は賛否両論に分かれた。
「前代未聞」の類語
「前代未聞」には以下のような類語があります。
本当に珍しいことや大変なことを表現する場合は、このようにいろいろな表現がありますが、「前代未聞」とは「過去になかった」という意味で使う表現です。
ですから、逆の表現をすると、未来には、これ以上のことがあるかもしれないというニュアンスも含まれます。
その一方で、「後にも先にも」、「最初で最後」、あるいは「空前絶後」という表現は、過去だけなく、未来にもないであるという意味で、もっと珍しさが増すニュアンスがあります。
「前代未聞」って良い意味?悪い意味?
「前代未聞」という言葉は、悪い意味で使われることが多いイメージがあるので、良い意味では使われないのかと思う方もいらっしゃるかと思います。
実際、「前代未聞」という言葉自体は、ただ単に過去に聞いたことがないという意味なので、ニュートラルな言葉です。
ですから「前代未聞の活躍」とか「前代未聞のヒット」とか、良い意味で使わることも多いです。
ただ、その一方で、割合的には「前代未聞の不祥事」、「前代未聞の天災」、「前代未聞の大事件」など、悪い意味で使われることが多いので、ネガティブなイメージを持っている人が多いというのも事実です。
ですから、例えば、結婚式の場などで「前代未聞の家庭を築いて下さい」と言ったりすると、良いイメージは与えないので、状況に応じてうまく使い分けられることをお勧めいたします。