歯が浮くの意味・例文・類語!慣用句としてはどう使う?

先日、ドラマで男性が「君の瞳に乾杯」と言っていたのですが、それに対して、女性が「そんな歯が浮くようなセリフをよく言えるわね。」と突き放すように話していたんですね。

その時、「歯が浮く」ってどんな感覚なんだろうといろいろ思いまして・・・

そこで、今回は「歯が浮く」の意味、例文、そして類語などについて解説をしていきます。

「歯が浮く」の意味

「歯が浮く」には、以下の2種類の意味があります。

  1. 歯の根が緩んだり、歯が浮き上がるように感じたりすること
  2. 言葉が軽すぎて、不快な気持ちを感じること

1が元々の意味で、2が慣用句としての意味です。

「歯が浮く」の語源・由来

「歯が浮く」は、元々、すっぱいものを食べたり、不快な音を聞いたりした時、歯の根元が緩むように感じることを意味していました。

また、疲れている時や風邪を引いた時にも歯が浮いたように感じたりしますが、この場合は、歯と骨の間にある歯根膜(しこんまく)が炎症していることが多いのだそうです。

実際、歯に違和感を覚えると、ちょっと気持ち悪い感覚になりますよね。

そこが由来となって、お世辞や気障(キザ)なセリフを聞いて、気持ち悪いと感じた時にも似たような不快感を覚えるので、そういった時にも「歯が浮く」という言葉が使われるようになった訳です。

「歯が浮く」の例文・使い方

よく見てみると、太郎君はすごくイケメンだよね。仕事も出来るし、僕にとっては憧れの人だなあ。

次郎

太郎

一体、どうしたんだい?急に歯が浮くようなセリフを言っちゃって。何か、僕にお願いごとでもあるの?

という感じで「歯が浮く」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

「歯が浮く」の例文1

「彼は、上司と話す時、歯が浮くようなお世辞ばかりを言うので、同僚からは嫌われていた。」

仕事をしていると、上司と話をする時に、いきなり態度が変わって、白々しいお世辞を連発する人を見かけたりしますよね。

でも、その人の普段の姿を知る人は、歯が浮くような感覚になっている可能性が高いです。

「歯が浮く」の例文2

「私の彼氏は、ロマンチックな性格で、時々、歯が浮くようなセリフを言うので、戸惑う時がある。」

男性は、ロマンチストの人が多いので、そんな人は女性に対して、キザな台詞を言う時があります。

カッコいい人が言うと、女性は胸がときめくみたいですが、そうでない人が言うと、歯が浮くと感じられてしまうことが多いので、世の中は不公平なのかもしれませんね。

「歯が浮く」の例文3

「息子が突然、歯が浮くようなお世辞を言って来たので、何かお願いでもされるのではないかとドキドキした。」

人は、何か特別な意図がある時に、歯が浮くようなお世辞を言う傾向があります。

そんな時は、注意が必要かもしれません。

また、聞く立場の人は、そういった心の底にある意図を感じてしまうので、気持ち悪さを感じてしまうのでしょう。

「歯が浮く」の類語

「歯が浮く」には以下のような類語があります。

「舌先三寸」

「舌先三寸」とは、口先だけの巧みな弁舌を意味します。

そういった言葉は、うわべだけなので、心や中身が備わっていません

「歯が浮く」ようなセリフも、内容が伴っていないことが多いので、同じように使える時が多いです。

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「言行不一致」

「言行不一致」とは、口で言うことと行動が合わなくて矛盾しているという意味です。

言っていることと中身が一致していないという点では「歯が浮く」と似たようなニュアンスがあります。

ただ、「言行不一致」は、お世辞やキザなことを言う時には使わず、普段の言動について指摘する時に使うことが多いです。

「心にもない」

「心にもない」とは、本心ではないことを意味します。

お世辞を言う時も「心にもない」ことを言うと、周りの人は「歯が浮く」ようなお世辞に感じてしまうことが多いですよね。

「鼻につく」

「鼻につく」には、人の振る舞いなどがうっとうしく感じる時に使ったりします。

「歯が浮く」より、もっと不快な気持ちを感じているケースが多いです。

また、「歯が浮く」は誰かの言葉に対して使いますが、「鼻につく」は言葉だけでなく行動に対しても使います。

まとめ

「歯が浮く」ようなセリフは表面的には、聞こえが良いかもしれませんが、一歩間違えると、周りの人たちに不快感を与えてしまう可能性もあります。

ですから、そういった言葉をいう場合は、状況を把握した上で、使われることをお勧めいたします。

MEMO
歯を使った慣用句には以下のような表現もあります。
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