先回、ある試合で惜しくも敗れたチームのキャプテンが、「結果的には負けてしまいましたが、自分たち力はすべて出し切ったので、悔しさは微塵もないです。」と爽やかに語っていたんですね。
その時、「微塵もない」という慣用句を聞いて、どれぐらい強く否定している表現なのかが気になりまして。
そこで、今回は、微塵もない(みじんもない)の意味、例文、そして類語について解説をしていきます。
「微塵もない」の意味
「微塵もない」とは、塵(ちり)ほどのわずかな分量もないことを意味します。
微塵(みじん)は、非常にこまかい塵を意味しますが、こまかく切ることを、微塵切りと言ったりもしますよね。
つまり、微塵は、これ以上、細かく出来ないほど小さな単位なので、それすらもないということは、「まったくない」とか「全然ない」という意味になります。
誰かに「ない」ことを伝えても、「本当は、ちょっとぐらいあるんじゃないの?」と思われてしまう時ってありますよね。
そういった時に、「本当に全然ないんだから」と強く否定をしたい時は、微塵もないという表現を使います。
「微塵もない」の例文・使い方
太郎君も、そろそれろ、脱サラして独立でもしたいと思っているんじゃないの?
次郎
太郎
僕は、こう見えて、超安定志向だからね。独立しようという気持ちなんて微塵もないよ。
という感じで「微塵もない」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 犯罪者が裁判に出頭したが、反省の色は、微塵もない様子だった。
- 私のようなものが、今の国際情勢について語れる自信など微塵もない。
- これから、このビジネスで稼いでいこうという気持ちに迷いは微塵もない。
- 相手が前回の優勝チームだとしても、僕たちに怯む気持ちは微塵もなかった。
- 彼が次期総理になるのではないかという気配は微塵もなかった。
- 状況は混迷を極めており、問題が解決しそうな雰囲気は微塵もなかった。
- 20年ぶりに高校時代の友達に出会ったが、昔の面影は微塵もなかった。
- 彼女は結婚をしたい気持ちはあるけれども、子供を持ちたい気持ちは微塵もないと彼氏にはっきりと伝えていた。
- 小さい頃は、役者になりたい気持ちは微塵もなかったが、街でスカウトをされて、気が付けば、役者になっていた。
- 君を解雇しようという気持ちなんて微塵もないから安心してくれたまえ。
- 彼は、選挙に立候補をする気持ちは微塵もないと言っていたのに、土壇場で立候補して、しかも当選してしまった。
「微塵もない」の類義語
「微塵もない」は以下のような表現に言い換えることが出来ます。
- 毛頭ない
- まったくない
- 全然ない
- これっぽっちもない
- 1%もない
打消しの表現にはいろいろありますが、その中でも「微塵もない」は、打消しの度合いが、より強い表現だと言えます。