先日、近所のおばちゃん達が「あの親から、東大生になる子が生まれるなんて、トンビが鷹を生むって、まさにこのことだね。」とヒソヒソ話していたんですね。
その時、「トンビが鷹を生む」ということわざを聞いて、そう言えば、逆のことわざもあるよなあといろいろ考えまして・・・
そこで、今回は、「トンビが鷹を生む」の意味、例文、類語、そして反対語について解説をしていきます。
「トンビが鷹を生む」の意味
「トンビが鷹を生む」とは、平凡な親が優れた子供を生むことのたとえです。
トンビ(鳶)とタカ(鷹)は、どちらもタカ目タカ科の鳥で、姿や大きさは似ていますが、習性などには、大きな違いがあります。
トンビは、主にネズミ、蛇、カエル、トカゲ、魚などの小動物を捕食し、時には動物の死骸や生ゴミなども食べたりします。
その一方で、鷹は、飛んでいる鳥も捉えることが出来るなど、優れた狩猟の能力を持っており、昔から鷹狩にも使われて来た歴史があります。
そういった性質の違いから、トンビは劣ったもの、鷹は優れたものというイメージがあったため、平凡な親が優れた子供を生むことを「トンビが鷹を生む」というようになった訳です。
ちなみに、これは、たとえ話なので、実際に、トンビが鷹を生むことは、遺伝子的にあり得ません。
「トンビが鷹を生む」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「トンビが鷹を生む」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 親たちは「トンビが鷹を生む」ことわざを信じて、子供達に一生懸命、勉強をさせるが、子供にとっては、それが大きなプレッシャーになる。
- トンビが鷹を生むことはないと思うが、子供達の可能性を信じて愛情をもって育てることが大切だと思う。
- ロック界のスターの親は平凡なサラリーマンだったという話を聞いて、人々は、トンビが鷹を生むことを実感した。
- 息子さんが東大に合格して喜んでいる親御さんに「トンビが鷹を生むことはこのことですね」と言ったら思いっ切り睨まれた。
「トンビが鷹を生む」の類語
「トンビが鷹を生む」には類義語がいろいろありますが、平凡な親が優れた子を生むということわざには、他にも、
- 鳶が孔雀を生む(とんびがくじゃくをうむ)
- 烏の白糞(からすのしろくそ)
などがあります。
また、親子の関係ではありませんが、弟子が師匠の学識や技量を越えることをたとえたことわざとして、
- 出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)
- 青は藍より出でて藍よりも青し(あおはあいよりいでてあいよりあおし)
- 氷は水より出でて水よりも寒し(こおりはみずよりいでてみずよりもさむし)
という表現があります。
「トンビが鷹を生む」の対義語
その一方で、「トンビが鷹を生む」の反対語には、以下のようなことわざがあります。
- 瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるになずびはならぬ)
- 蛙の子は蛙(かえるのこはかえる)
- この親にしてこの子あり
- 燕雀鳳を生まず(えんじゃくほうをうまず)
- 蝮の子は蝮(まむしのこはまむし)
- 血は争えない
「トンビが鷹を生む」?「蛙の子は蛙?」
世の中には、「トンビが鷹を生む」ということわざもあれば、「蛙の子は蛙」のようにまったく逆の意味を持つことわざもあるので、一体、どっちなんだろうかと疑問に思う方もいらっしゃいます。
先日、テレビで、「トンビが鷹を生むにも限界ある説」について検証する企画があったのですが、そこで、中卒の親を持つ東大生の女性が紹介されていました。
そこで、東大生の女性は、「トンビが生んだものはトンビなんだけれども、トンビが凄い育て方が上手かったからタカっぽくなった。」という話をしていたんですね。
そんな心温まるコメントを聞きながら、トンビが鷹を生むかどうかは、あくまでも結果論であって、大切なことは、「鷹になれるかもしれない」という希望を持って、鷹に少しでも近づけるよう努力していくことなのかなと思いました。
やっぱり人は、努力する過程が大切なんだと思います。