先日、友人から「最近、レトロな雰囲気でノスタルジックな気分が味わえる喫茶店を見つけたんだけれどお、行ってみないか。」と誘われたんですね。
その時、ノスタルジックというカタカナ語や、レトロとの違いについても気になりまして・・・
そこで、ここでは、ノスタルジックの意味、英語での表記、例文、類語、対義語、そしてレトロとの違いについて解説をしていきます。
ノスタルジックの意味
ノスタルジックとは、古いもの、昔のもの、失われたもの、或いは故郷などに対して、懐かしさや恋しさを感じさせる様子を意味します。
ノスタルジックな気持ちを味わうものは様々です。
風景、絵、喫茶店、漫画、扇風機、車、建物、ファッションなどなど・・・
昔あったようなものを再現しているようなものがあると、人はノスタルジックな気分に浸りやすくなります。
ただ、昔の思い出は、既に過ぎ去ったものなので、もう、そこに帰ることは出来ません。
だからこそ、ノスタルジックな気持ちになった時は、寂しさや切なさも感じたりするものです。
ノスタルジックな気分に浸ると、胸がキューンとなるものですが、逆にそういった気持ちを人々は楽しんでいるのかもしれませんよね。
ノスタルジックの英語表記
ノスタルジックは、英語では、“nostalgic” と書きます。
日本語に訳すと、「郷愁に満ちた」となりますが、名詞形は、nostalgia (ノスタルジア)です。
“nostalgia” は、1688年にスイスの医学生であったヨハネス・ホーファーが作った造語だと言われています。
元々、ギリシャ語には、
- nostos:帰郷
- algos:心の痛み
という表現があるのですが、この2つの言葉を合成して、「故郷へ戻りたいと思っても、二度と戻れないかもしれないという恐れを伴う心の痛み」という意味で、“nostalgia” という言葉を作りました。
つまり、ノスタルジアは、元々は、心の病気の名前だったのです。
その背景には、当時、ヨーロッパで戦争に行っていた若者が、戦況が不利になった時、ノスタルジックな気持ちになって戦意を喪失してしまっていたという状況がありました。
しこし、その後、心の病気という意味合いはなくなり、日常生活でも感じる普通の感情表現として使われるようになったんですね。
ノスタルジックとレトロとの違いは?
ノスタルジックとよく似た表現として、レトロという表現があります。
レトロとは、懐古的、郷愁に誘われる気持ちを意味します。
レトロは、英語では“retro”と書き、“retrospective” という表現の略語です。
“retrospective” には、回顧の、回顧的な、という意味があります。
昔を懐かしむという点では、ノスタルジックと同じようなシーンでよく使われます。
ただ、レトロは、ただ単に昔を懐かしむという意味であるのに対して、ノスタルジックは、さらに寂しさや切なさという感情も含まれます。
ですから、ノスタルジックの方がレトロよりも、感情が動かされているという点で違いがあります。
ノスタルジックの例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「ノスタルジック」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 僕は、昔ながらのノスタルジックなスイーツが好きだ。
- この漫画のノスタルジックな雰囲気がとても心地よい。
- この伝統的な街には、ノスタルジックな建物が数多く存在する。
- レトロな喫茶店で、ノスタルジックな雰囲気を楽しんだ。
ノスタルジックの類語
ノスタルジックの類語としては、郷愁、望郷、懐古の念、などがあります。
実際、ノスタルジックというカタカナ語を使うよりは、漢字の表現を使った方が良いのかもしれません。
ただ、ノスタルジックは、ただ単に懐かしいというよりは、切なさや寂しさという感情も合わせて表現出来るので、そういった時には、ノスタルジックを使う方が適切だと言えるでしょう。
ノスタルジックの対義語
ノスタルジックの反対語は、フューチャリスティク(futuristic)です。
“futuristic” は、“future” を形容詞にした表現ですが、未来派の、革新的な、未来的な、という意味があります。
ノスタルジックは、過去を懐かむという意味ですが、フューチャリスティクは、逆に、未来を見る点で反対の表現となりますね。